「立正佼成会慈済会訪問使節団」(団長=沼田雄司教務局長)の一行17人が、6月12日から17日まで台湾を訪れ、「台湾仏教慈済慈善事業基金会(慈済基金会)」の活動を視察し、メンバーと交流しました。使節団は同基金会の活動や信仰を学ぶためのもの。一昨年に続き2回目の派遣となりました。
同基金会は、仏教の愛他精神に基づき、国内外で社会貢献事業を行う団体。創始者の證厳(しょうげん)法師は、2007年に第24回庭野平和賞を受賞しています。同年に現地を訪れた庭野会長が同基金会の深い精神性に示唆を得たことを受け、一昨年、教団幹部による使節団が派遣されました。今回は、教団幹部に加え事業体の代表者も参加しました。
一行は16日早朝、花蓮市郊外にある同基金会の出家僧らが修行生活を送る静思精舎を訪問。毎朝行われる集い「早課」に参加し、メンバーがインターネット中継を通して行う実践報告に対し、證厳法師が一つ一つ丁寧に応える様子を見学しました。
このあと、證厳法師と面会し、約1時間にわたり懇談しました。この中で證厳法師は、立正佼成会との長年にわたる交流に謝意を表したあと、同基金会の精神を紹介。「その源は(浄財を寄せ、奉仕にあたる)台湾の人々の愛の心であり、人々の苦しみを自分の痛みと感じ、何とかしてあげたいと願う菩薩の心です」と語り、具体的な事業である慈善、医療、教育、人文の「四大志業」を説明しました。
続いて、一行からの質問に證厳法師が答えました。同基金会で多くのメンバーが自主的に奉仕活動に参加している点を踏まえ、人々を菩薩道に導き、共に仏道を歩んでもらうための要点を尋ねる問いには、「極意はありませんが、まず自分自身が『誠』『正』『信』『実』を十分に理解し、実践することです。すると自分に対して自信がわき、慈悲喜捨の心で人に触れ合えるのです。真心が相手に伝わると相互関係が生まれます。相手がいてこそ自分が菩薩行をさせてもらえることに感謝することが大事であり、それがお互いの尊重にもつながるのです」と述べました。
一行はまた静思堂などの本部施設を訪れたほか、同基金会が運営するメディアセンター、リサイクルセンター、総合病院、教育機関などを訪問。運営状況や各施設でのボランティアの様子を視察しました。さらに、本会の台北教会を参拝し、現地の会員と交流しました。
二度の本会使節団を踏まえ、今後、さまざまなレベルでの交流活動が進められる予定です。
(2010.6.25記載)
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