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2010年07月08日 『家族のかたち』テーマに中央学術研究所「第19回講師研究会」

『家族のかたち』をテーマに中央学術研究所の「第19回講師研究会」が7月3、4の両日、東京・昭島市にあるホテルで開催されました。同研究所の講師、客員研究員に加え、教団役職者ら51人が参加しました。

3日、篠崎友伸所長のあいさつに続き、『「家族のかたち」はどうあるべきか』と題して森章司東洋大学名誉教授が問題提起に立ちました。森氏は、社会が混迷を深める今こそ、「国の基礎から日本を考えることが必要」と話し、「そのためには、核となる『家族のかたち』を考え直すことが重要ではないか」と述べました。
これを受け、森岡清美東京教育大学名誉教授が『「脱家族」社会の家族力』をテーマに基調講演。現代の結婚観に触れ、かつては「社会制度であり義務」だった結婚が個人の選好の問題になっていると指摘。家族を持つ、持たないという二極化の現状を「脱家族社会」と説明しました。
その上で、高度成長期以降の家族形態の変化に言及し、大家族(三世帯同居)に代わり核家族の割合が大半を占めるようになり、家族外生活者(同居家族のない人や実家を離れて暮らす人)、特に85歳以上の独居老人が激増している現状を解説。「別居しつつも老親を中心に訪問、互助の関係を保つ『別居大家族』というネットワークを構築することが必要」と強調しました。
別居大家族の理念が実現されるには、子供の結婚前から親子兄妹の関係が良好でなければならないと力説。また、核家族化によって低下した「しつけ機能」の回復に触れ、立正佼成会の「斉家(せいか)」の取り組みを挙げながら、「しつけに目を向けていくことが家族力の活性化につながる」と話しました。
続いて、参加者は三つの部会に分かれて討議。基調講演を踏まえ、少子高齢化や、それに伴う介護問題、家族のあり方、社会に対する本会の役割など深い議論が展開されました。
4日は、前日に引き続いて各部会で討議が行われた後、その内容が全体会議で発表され、意見が交わされました。

(2010.7.9記載)