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2010年11月20日 「路上生活者支援連絡会」が講演会と炊き出し支援説明会

庭野平和財団、新宗連(新日本宗教団体連合会)、NCC(日本キリスト教協議会)などが参画する「路上生活者支援連絡会」による「路上生活者支援講演会と炊き出し支援ボランティア説明会」が11月20日、東京・新宿区の日本キリスト教会館で行われました。約50人が参加しました。

同連絡会は昨年11月、路上で生活する困窮者に対する年末・年始の支援を目的に発足。路上生活者や生活困窮者の現状と支援活動への理解を深めるとともに、支援の協力を呼びかける説明会を実施してきました。
3回目となる今回は、認定特定非営利活動法人「北九州ホームレス支援機構」の奥田知志理事長が、『路上生活者自立支援の試み──活動20年とこれから』をテーマに講演しました。奥田氏は冒頭、2002年に制定された「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」に触れ、路上生活者数は減少傾向にある一方、生活困窮者は増加していると報告。近年の世界的な経済不況で失業者が増加し、新卒者の内定率の低下で、生活に困窮する若者が増えていると指摘しました。
また、高齢の生活困窮者と違い、身寄りや実家があるにもかかわらず路上で生活する若者の背景には、将来への絶望感や人間関係の喪失による自己の存在に対する否定があると説明。「家族との絆(きずな)が切れているのが、路上で生活する若者たちの大きな特徴」と述べました。
その上で、同機構が行う自立支援の取り組みを紹介。住居や食料、衣類といった物理的な困窮(ハウスレス)の解決に加え、家族や他者との人間関係からくる困窮(ホームレス)への支援の大切さを強調しました。また、孤立を防ぐため、自立ができるまでサポートすることが重要と述べました。
このあと、支援に取り組む7団体がボランティア募集の説明会を行いました。

(2010.11.26記載)