News Archive

2011年03月31日 支援の手、各地へ 立正佼成会援助隊の呼称を「善友隊」に


津波によって流れ込んだがれきや、浸水した家財道具の運び出しが急務となっている(19日、仙台市宮城野区)

立正佼成会「東日本大震災対策本部」の決定を受け、各地に援助隊が続々と派遣されています。各隊は食料や燃料などを積んだトラックで、被災した会員、市民への支援の拠点となっている各教会に到着。現地のニーズに応えるかたちで、さまざまな活動に取り組んでいます。なお、対策本部は3月24日、今後、被災地に派遣される本会の援助隊について「善友隊」と呼称することを発表しました。


被災したサンガに心を寄せ、家屋の清掃にあたる会員(22日、仙台市若林区)

援助隊(善友隊)の派遣状況は次の通りです。
【仙台教会】
・第3次…3月22~28日 10人(同21日出発の2人を含む。同隊は現地で石巻第1次と分隊)。3月25日~4月2日 2人を後発で派遣。
【石巻教会】
・第1次…3月22~28日 3人
・第2次…3月27日~4月2日 4人
【茨城教会】
・第1次…3月19~31日 2人
・第2次…3月23~31日 4人

福島県の原町教会へも援助隊(善友隊)を派遣

東京電力福島第一原子力発電所から30キロ圏内にある福島県の原町教会へも、3月25日から27日まで、川端健之総務局長はじめ3人の援助隊(善友隊)が派遣されました。
救援物資を運んだほか、会員の安否確認などを行いました。深刻なガソリン不足を抱え、移動困難な状況が明らかになりました。
また、30キロ圏外に位置する相馬市在住の会員と懇談後、平、磐城両教会に向かい救援物資を届けました。今後も支援のあり方が検討されます。

第2次隊が仙台教会へ 安否確認と共に、がれきの撤去作業も

仙台教会では、会員の安否確認、被災した市民への支援活動と並行し、3月18日からは、津波の影響で市街地や個人宅などに堆積(たいせき)したがれきや土砂の撤去作業を開始しました。17日夜に同教会道場に到着した第2次仙台援助隊(善友隊)は第1次隊との引き継ぎを終え、翌18日から同教会会員の取り組みを支援しました。
同教会の全21支部のうち、津波により大きな被害を受けた沿岸部を包括するのは、塩釜、多賀城、岡田、若林、名取、岩沼、南の7支部です。このうち、会員の安否確認作業が進みつつある岡田、若林、岩沼、南の各支部の会員宅に同教会の青・壮年部員と援助隊が出向き、がれきや泥の除去、家財道具の運び出し作業にあたりました。
被災地域では、床上・床下浸水の被害に見舞われた家屋も多く、その復旧、再建のためには、流れ込んだ泥やがれきを臨時の集積場まで運び出さなければなりません。がれきの中には防風林の樹木や自動車、商店の看板などもあり、会員、援助隊がサポートすることになりました。
岡田支部壮年部長は、床下まで浸水した自宅に手をつけないまま、震災3日後の14日から地域の被災宅を回り、がれきの撤去作業にあたっているといいます。教会の仲間や援助隊の到着を喜び、「水没した面積が広く、水道や電気の復旧も遅れていて、個人の力ではどうすることもできません。大勢の若い方が手伝いに来てくれてうれしい」と語りました。また、亘理(わたり)町の沿岸部にある自宅が床上浸水の被害を受けた南支部の75歳の男性も、仲間との作業を終え、「どうすることもできずにいましたが、皆さんに手伝って頂き、また一からスタートしようという気になりました」と深々と頭を下げました。
18日から連日、被災した会員のもとを訪れている青年男子部員は、作業を重ねるごとに、家の中に残された品物は、水没して再生できないものであっても、被災者にとってかけがえのない心の通ったものばかりだと実感しています。「被災された方が変わり果てた自宅を前に途方に暮れているとき、どんな言葉をかけたらいいのか分からず、自分の無力さを痛感します。私にできることはわずかですが、少しでも力になりたい」と声を詰まらせました。
被災地では今後も、がれきの撤去作業が続きます。同教会の青・壮年のほか、近隣教会などから会員ボランティアがサポートにあたる予定です。

第3次隊も懸命に撤去作業、石巻教会道場が公的避難所に

仙台に派遣された第3次援助隊(善友隊)は3月22日夜、石巻教会に到着、翌日から仙台、石巻の両教会に分かれて支援活動を開始しました。
仙台では、同教会会員と共に被災地域で、主に会員宅と周辺のがれきの撤去作業を行いました。24日からは東北ブロックの山形や鶴岡、米沢、新潟ブロックの新発田など近隣教会の青・壮年部員によるボランティアが作業に合流しました。
石巻でも、同教会会員と共に、会員宅の畳や家具などの撤去を中心に活動を行いました。
同教会道場は津波により床上38センチまで浸水し、電気・水道などのライフライン、交通・通信網も断たれて孤立。会員や近隣住民ら104人が避難生活を送りました。こうした状況から安井利光教会長、教会幹部らが、市当局や自衛隊に支援を要請。16日、公的に避難所として認定されました。
28日現在、道路や通信は回復しましたが、ライフラインはいまだ復旧せず、会員の安否確認が懸命に行われています。


仙台教会では、支部長らを中心に会員の安否確認が続けられている(18日)


石巻教会道場は市の避難所に認定され、自衛隊の救援物資も運ばれた(26日)


震災後、初めて教会を参拝した会員。安井教会長との2週間ぶりの再会を喜んだ(25日)


衣類や食料、燃料、衛生用品など、真心のこもった支援物資が近隣教会から届けられた(26日、石巻)

(2011.03.31記載)