東日本大震災の支援活動が、全国の教会や地域、家庭、会員一人ひとりの、復興への祈りが込められた取り組みとして、積極的に行われています。
平教会
散髪奉仕に笑顔広がる
震災の影響で、平教会の会員約60人は3月16日から水戸教会に避難しました。避難生活が長引く中、理容師の会員と妻は、被災した会員たちに明るい気持ちになってほしいと散髪のサービスを始めました。着の身着のままに近い状態の中、愛用の理容道具は持参していました。
道場の洗面所で、多い日には約40人の髪を切り、ひげをそって、きれいに整えました。会員たちに笑顔が浮かびました。
会員たちはその後、地元に戻りましたが、今も約20人が平教会で避難生活を送っています。いわき市内に移り住んだ会員夫婦は、避難している人たちのために教会道場で散髪を続けています。
一途な女性の姿に心をひきしめ
街頭募金に立つ釧路教会の会員たちの中で、ひときわ大きな声で協力を呼びかける女性がいました。釧路市内の大学生で、偶然、募金活動を見つけ、支部長に声をかけ、自らも参加を申し出たのでした。
女性は福島県南相馬市の出身。家族は無事でしたが、震災で友人を亡くしました。さらに、自営業を営む両親の職場も津波で流されたといいます。
まっすぐ前を見据え、休むことなく市民に協力を訴え続ける姿に、支部長はじめ、会員たちは心を揺さぶられました。「女性とのご縁のおかげさまで、被災された方々と同じ思いで募金をさせて頂くことができました」。
孫の祈る姿に仏の慈悲感じ
震災発生以降、浜北教会の女性会員は、夫婦で犠牲者の慰霊と被災地の早期復興のための祈願供養を続けています。ある日、二人の孫が「ご供養をしたい」と声をかけてきた。祈願式文を読み、被災者の苦しみが伝わり、心が締めつけられたといいます。「みんなのために祈りたい」と話す孫の思いに、改めて、式文には同悲・同苦の心を引き出す仏の慈悲が込められていると感じました。
その夜、孫を導師に家族そろってご供養が行われました。真剣に読誦(どくじゅ)する家族の真心に触れ、「皆で心一つに祈れば、必ず被災地に届く」と確信しました。
真心のマスクに温かみ覚え
4月初旬、鹿沼教会に2千枚のマスクが届きました。送り主は、東京で一人暮らしをする青年男子部員。震災の被害に胸を痛め、被災地のニーズを調べてマスクを購入しましたが、提供先が分からず、地元の教会に送ったのでした。
部員はアルバイトで生計を立てながら、プロの歌手を目指して修業中です。経済的にギリギリの生活を送る中、被災地の人々の役に立ちたいと物資を送った部員の真心に触れ、会員たちの心は温かくなりました。
一人の発心が千羽鶴に結実
上越教会の法座席に飾られた千羽鶴。地震発生後、被災地の惨状に心を痛めた一人の支部長が、〈何かできないだろうか〉と、法座席の片隅で折り始めました。その姿を見て、「私にも折らせて」と会員たちが次々に協力を申し出ました。少年部員たちも進んで参加。被災者を思う会員たちの輪が広がり、2週間で二つの千羽鶴が完成しました。
「一羽一羽に会員の思いが込められています。千羽鶴が被災された方々の希望の光になればうれしい」と支部長。
千羽鶴は、新潟ブロックの救援物資と共に被災地に届けられました。同教会では、祈りを込めた鶴が今も会員の手によって折られています。
バングラデシュ教会からも支援
バングラディシュ教会から寄せられた衣類
被災者にぬくもりを届けたい--。バングラデシュ教会は、厳しい寒さが続く被災地で避難生活を送る人たちに役立ててもらおうと、いち早く防寒着の支援を表明。災害対策本部(当時)の決定を受け、衣類製造会社を経営するポラッシュ・バルアさん(43)を中心に、新品のセーターやジャンパーなど587着が寄せられました。
取り組みには、サイクロンによる水害からの復興、教育支援など自国が日本に支えてもらったという感謝の思いが込められています。
「国は違っても私たちは家族であり、支え合って生きていくもの。今度は私たちが支援させて頂く番」とポラッシュさんは話します。日本に送られた衣類は、被災地に届けられました。
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