今日を大事に生きる。いま、できることを精いっぱいに--。国内で発生した未曾有の災害を通し、改めてそう心に刻んだ全国の青少年部員たちは、一度しかない「青年の日 2011」に全力で臨んだ(写真は、横浜教会が行ったWCRP街頭募金)
『大志~社会変革の風をおこそう~』をメーンテーマに5月15日、「青年の日 2011」が全国各地で開催されました。東日本大震災の被災者に思いを寄せながら、この日を迎えた全国の青少年部員たち。「社会や国家、そして世界平和のために具体的な菩薩行実践を行い、その活動を通して青少年布教を推進する」ことを目的に、約1万5200人が活動を展開、会員、市民ら約3万4千人がこれに協力しました。正午には、参加者全員で「平和の祈り~こころ ひとつに~」を捧(ささ)げ、被災地の早期復興と世界の平和を祈願しました。
WCRP街頭募金やチャリティーバザー、避難所での炊き出しも
盛岡、花巻両教会の青年部員が釜石教会を訪れ、3教会合同の「復興祭」を実施。イベントを通して、共に立ち上がろうと誓い合った
大震災発生から2カ月が過ぎました。死者・行方不明者は2万人を超え、今も11万5千以上の人たちが避難所などで厳しい生活を余儀なくされています(5月17日現在、警察庁調べ)。こうした中、「青年の日 2011」では、各地で被災者支援を目的としたさまざまな活動が行われました。
多くの教会が取り組んだのはWCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会が呼びかけた「東日本大震災緊急支援」の街頭募金です。この日、「青年の日」を行った教会のうち3分の2以上が実施しました。
被災地から最も遠く離れた沖縄教会は、観光客でにぎわう国際通りなど4カ所でWCRP街頭募金を実施。青年部員は手作りの看板を掲げ、市民に募金への協力を呼びかけるとともに被災地への励ましのメッセージを募りました。参加者の一人は「被災されたすべての人が日常生活に戻るまで、私に何ができるかを考え、思いを寄せたい」と話しました。 避難所で炊き出しを行ったのは福島教会です。原発事故の影響で故郷を追われた人々に海の幸の料理を提供。90歳の母と共に避難生活を送る64歳の男性は、「母の好きなホタテやサンマを頂けて有り難かった」と喜びました。柏崎教会もまた、避難所となっている包括地域の福祉施設を訪れ、炊き出しを行いました。このほか、チャリティーバザーを開催した教会も目立ちました。
一方、甚大な被害に遭った岩手県では、盛岡、花巻、釜石の3教会合同で、復興に向けた第一歩を踏み出すとの願いを込め、「復興祭」を開催。会場となった釜石教会には合わせて138人が集りました。参加者全員で「平和の祈り」を捧げたあと、レクリエーションなどで交流を深めたほか、3教会の青年部員代表が力強くマトイを披露しました。花巻教会の青年部員は、「被害の大きさを考えると悲しみは尽きませんが、仲間と共に明るく前を向いていきたいと思います」と語りました。震災後、初めて道場を参拝したという釜石教会の会員は「青年さんの活気に勇気づけられました。サンガの真心を胸に歩んでまいります」と話しました。
被災地に思いを寄せながら、地域や世界の諸課題解決に向け、活動する教会も少なくありませんでした。ユニセフとWCRPとの連携事業「宗教者による紛争下・後の子ども保護」への拠出が決まっている「一食(いちじき)ユニセフ募金」を実施したのは、弘前、練馬、江戸川、高知の各教会。山形、鹿沼、松阪の各教会では「アフリカへ毛布をおくる運動」のPRや毛布収集活動に取り組みました。
このほか、地域貢献を目的に、包括地域内の清掃活動や福祉施設への慰問を行う教会もありました。
【福島】原発事故の影響で避難生活を送る人々に、サンマやホタテなどの海の幸の料理を届けた
【松阪】商店街でチャリティーバザーを実施したほか、毛布収集などにも取り組んだ
【練馬】西武豊島線豊島園駅前などで一食(いちじき)ユニセフ募金を実施。世界の子供たちの幸せを願い、元気な声で協力を呼びかけた
【山形】「アフリカへ毛布をおくる運動」のPRや収集活動に取り組んだ
【沖縄】県内4カ所で街頭募金を実施。被災地へおくる応援メッセージも募った
(2011.05.20記載)
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