庭野平和財団が進める「南アジアプログラム」の2011年度のインドでの年間テーマと支援先がこのほど、決定されました。今年度は、『最も貧しい人々のエンパワーリング』をテーマに現地NGO(非政府機関)2団体とプロジェクトを行います。テーマに沿った1プロジェクトの実施期間は3年が目安。同プログラムは実施から10年目を迎える13年度に終了することから、本年度が最終選考となりました。運営資金は立正佼成会一食(いちじき)平和基金から委託されています。
2011年度のテーマは、支援を受ける人々が自身の尊厳や権利を理解するとともに、職能トレーニングや教育を受け、社会サービスや市場へのアクセスを可能にする状況を自らつくり出すことで貧困を削減しようと設定されました。その上で、決定された支援先は、「サハヨギニ」(「女性による支援」の意)、LEADS(「生命、教育および開発のためのサポート」)の2団体。サハヨギニはジャルカンド州の指定カーストの女性たちに、演劇を通じて搾取を受ける自らの現状を伝え、権利や尊厳に対する理解を促すとともに、環境保全や保健衛生の知識を提供し、手工芸品の技術訓練などを行ってきました。
同プログラムでは、同州ボカロ県内にある50のれんが工場で過酷な労働を強いられている女性2500人に新しい雇用機会や裁縫技能の訓練を、さらに子供たちに教育機会を提供します。また、政府の支援事業への「橋渡し」役を担い、交渉能力の習得などの支援活動を行います。
一方、LEADSはジャルカンド州西シンブーム県で、最貧困の状態にある先住民「ムンダ族」の18村に暮らす約6500人をサポート。ラックカイガラムシの飼育と、その虫体から採れる材料を加工する伝統工芸技術の研修、村の自治を保障する「パンチャヤート」(村落会議)の強化、政府の貧困対策事業への仲介や権利に対する啓発などを行います。また、女性を対象に自助グループづくりを進め、パンチャヤートの集合組織であるグラム・サッバへの参加を支援します。
(2011.06.10記載)
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