日本宗教ネットワーク懇談会によるシリーズ「いま、なぜ宗教間対話なのか」第1回シンポジウムが7月9日、東京・港区の慶応大学で行われました。テーマは『壁は乗りこえられるのか?--対話の現場から』。当日は宗教者や研究者ら120人が参加。立正佼成会総務局外務グループの赤川惠一次長が出席し、司会を務めました。
同懇談会は新宗連(新日本宗教団体連合会)の50周年を機に、宗教の対話、交流、協力を促進することを目的に設立されました。シンポジウムでは『現代世界と宗教間対話』と題して小原克博・同志社大学教授が基調報告。米国同時多発テロ以降、暴力の問題に宗教が不可避的に関連づけられている状況を挙げ、これまで以上に宗教への理解が欠かせず、世界平和のために宗教間対話が重要になっていると説明しました。
その上で、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を例に、欧米ではユダヤ教、イスラームとキリスト教の対話が歴史的に不可欠と語り、取り組みを紹介。一方、日本では「サロン的な対話が多く、スローガンを唱えるだけになっていないか」と指摘しました。
21世紀に求められる宗教間対話として、具体的な問題解決への実践、対話を阻害する要因の分析などを示しました。
続いて、現場報告「宗教間対話の現実」では、宗教間対話研究所所長の峯岸正典・曹洞宗長楽寺住職、IARF(国際自由宗教連盟)評議員の三輪隆裕・日吉神社宮司、本会の鈴木孝太郎国際伝道本部長が活動を発表。鈴木本部長は、練馬教会長在任中に練馬宗教者懇話会の設立にあたった経緯、互いの伝統を学び合い親交を深めた歩み、アフガニスタン支援の取り組みなどを紹介しました。
このあと、全発表者に高柳正裕・元真宗大谷派教学研究所所員と本山一博・玉光神社権宮司が加わり、樫尾直樹慶応大学准教授の司会によりディスカッションが行われました。
(2011.07.15記載)
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