證厳法師との懇談。光祥次代会長はじめ団員たちは、信仰者としての心構えなどについて積極的に質問した(13日、静思精舎)
庭野光祥次代会長を団長とする「慈済会(ツーチー)訪問使節団」の一行17人が7月9日から14日まで、台湾の財団法人・台湾仏教慈済慈善事業基金会(慈済基金会)を訪問しました。同会への立正佼成会職員らの派遣は3回目。今回は女性のみで使節団が構成されました。一行は13日に台湾東部・花蓮の本部施設で、同会の創設者で2007年の「第24回庭野平和賞」受賞者の證厳(しょうげん)法師と会談。このほか同会が運営する病院や大学、メディアセンターなどを視察しました。
慈済基金会は、證厳法師の説く仏の教えをもとに「四大志業」と言われる慈善、医療、教育、人文(文化)をはじめ国際救援や環境保護、地域ボランティアなどの諸活動を展開する世界最大規模のボランティア団体。会員数は台湾を中心に500万人に上ります。
07年には庭野日鑛会長が同会を訪問し、證厳法師と会談を行いました。翌08年には、渡邊恭位理事長を団長に第1回の使節団が派遣されました。
3回目の派遣となる今回は、光祥次代会長を団長に齋木淑江青年本部次長(副団長)、李幸子韓国立正佼成会教会長、簡妙芳台北教会長をはじめ女性のみで使節団を構成。同会の視察、会員との交流や研鑽(けんさん)を通して本会の布教伝道や組織のあり方を振り返り、それぞれの業務、また自らの向上の糧とすることなどが目的に掲げられました。
9日に台湾入りした一行は、同会が運営する台北市のメディアセンター(大愛テレビ)やリサイクルセンター、また台北県南部にある台北慈済総合病院を視察。11日夕には花蓮市に移動し、翌12日は「静思堂」と呼ばれる同会本部施設や慈済大学を見学しました。
13日早朝には、同会本部から約4キロの位置にある證厳法師はじめ出家僧(尼僧)の修行道場である静思精舎を訪問。證厳法師が出席し、各施設の会員らもインターネット中継を通じて参加する「ボランティア朝礼」を見学しました。
このあと、一行は、約1時間にわたって證厳法師と懇談しました。冒頭、光祥次代会長が使節団の受け入れに対し謝意を伝えたあと、各施設を見学した感想として、「すべての場面で出会う方々の心の中に、證厳法師さまの願いが息づいていることに大変感銘を受けました」と語りました。また、東日本大震災の被害に対する支援、協力に感謝を述べました。
證厳法師は、同会に大きな関心が寄せられていることに感謝を表し、「私たちが立正佼成会に学ぶことはまだたくさんあります」と述べた上で、同会の精神や活動を紹介。「私たちは佼成会と似ているところがあります。それは仏さまの教えを伝えていくことであり、菩薩道です。菩薩というのは人々の中に、人々が暮らす社会の中に入っていかなければなりません」と語り、教えを求道する心と実践する大切さを説きました。
證厳法師はまた、人生の長さは自ら決めることはできないが、生きがいや価値は自ら選択できると述べ、仏教の智慧(ちえ)を深め、人々に思いやりの心をかけていく大切さを強調。仏と師の願いに自らの心を合わせていく大事さを示しました。
(2011.07.22記載)
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