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2011年10月17日 「新宗連結成60周年記念集会」開催


多くの先達たちに支えられ、新宗連は結成60周年を迎えた。記念集会で参加者は、感謝を胸に今後の誓いを新たにした

『60年の絆(きずな)--新たなる誓いを』をテーマに、新宗連(新日本宗教団体連合会)結成60周年記念集会が10月17日、東京・渋谷区の渋谷公会堂で開催され、新宗連役員や加盟教団の信者、各界の来賓など約1800人が参加しました。立正佼成会から庭野日鑛会長(新宗連特別顧問)、庭野光祥次代会長(同理事)、渡邊恭位理事長(同常任理事)はじめ教団役職者らが出席しました。参加者は、新宗連60年の歴史と意義をかみしめ、宗教者の役割を確認しました。


新宗連の前理事長を務めた庭野会長も、ほかの役員と共に祝典を見守った

新宗連は1951年、新宗教教団の連合会として結成されました。現在、本会を含め70教団が加盟します。これまで「信教の自由」「宗教協力」「世界平和」を目標に掲げ、一人ひとりが幸せに生活できる社会を目指し、核兵器廃絶・軍縮、環境保全、人権、脳死・尊厳死、自殺防止、憲法改正など社会の諸課題に対し、積極的に取り組んできました。また、災害時の緊急支援や他団体との交流、電話相談なども行っています。
こうした活動を通して社会に宗教心を涵養(かんよう)するとともに、信者同士が交流、信仰を深めることで各教団の発展にも寄与してきました。 記念集会では、先達への感謝と東日本大震災犠牲者追悼の願いを込め、黙とうが捧げられたあと、60年の歩みをまとめた記念映像作品が上映されました。
このあと、加盟教団の紹介とともに教団代表者が壇上に着席。主催者を代表し、岡野聖法新宗連理事長(解脱会法主)が式辞を述べました。岡野理事長は、新宗連結成の願いや60年の足跡を振り返った上で、記念集会のテーマに言及。「宗教教団の連合会として60年間に培ってまいりました『絆』をもとに、豊かな人間性の涵養とより良い社会形成、平和実現のために働いてまいります」と述べ、「すべてのいのちを尊ぶ世界」の実現に向け一層の努力を誓いました。
続いて、有田惠宗日本宗教連盟理事長(全日本仏教会理事長)、近藤誠一文化庁長官が祝辞。新宗連が長年にわたり社会に貢献してきたことをたたえ、今後も人々を幸せに導くため一層の役割を果たすことへの期待を語りました。
このあと、『未来への種をまく宗教』をテーマに上田紀行・東京工業大学大学院准教授が記念講演を行いました。上田氏は、今ほど「絆」が求められている時代はないとの認識を示した上で、「その『絆』の質が問われている」と指摘。多くの人が絶望感を抱えている現代の世相を解説しながら、そうした人たちの苦しみを聴き、思いを寄せる重要性を強調しました。さらに、「苦難の中でもそうした縁を結び、良き種をまくことが大切であり、それが次の世代にもつながる」と語り、宗教者の役割に期待を寄せました。
最後に、新宗連青年会(新日本宗教青年会連盟)の保積志弘委員長(大和教団統理)が閉会の辞を述べました。保積委員長は、青年会が今年結成50周年を迎えることに触れ、「先師先達が継承してくださった命脈、魂をしっかり受け継ぎ、勇気と情熱をもって前進したい」と力強く語りました。
記念集会に続き、同施設内で祝賀会が行われました。

(2011.10.21記載)