米国多発テロ事件、米英両軍によるアフガニスタン攻撃を受け、本会各教会では、「祈り」「募金」「励ましの手紙」を柱に、テロ関連被災者への救援活動に継続して取り組んでいます。
【祈り】
大聖堂はじめ全国各教会ではテロ発生以降、ご供養の際に、犠牲者の冥福と行方不明者の早期発見、テロの惨禍が二度と繰り返されないことを祈念する式文が読み上げられています。また、式文は、手どりや教会参拝の中で会員たちに届けられ、会員各家でも朝夕のご供養の中で祈りが捧げられています。
豊田教会では、式文の奏上だけでなく、朝礼の中で、参拝者全員で1分間の黙祷を捧げています。今こそ地域の宗教者がこうした祈りを共に捧げようと、大和教会では、渉外部が中心となり他教団に呼びかけています。また、田川教会では10月28日、青年部員が世界平和を祈願し霊山のひとつ英彦山登山を行う予定です。
【募金】
全国のほとんどの教会が道場内に募金箱を設置しており、集められた浄財は順次、本会が設置した「多発テロ関連救援募金」口座に送金されています。
各教会では募金箱が継続して設置され、会員への呼びかけも続けられます。神戸教会では一口100円の「100円募金」を実施中。青年部を中心に始まりましたが、教会全体の活動に発展、さらに近畿教区の活動にまで広がりました。青年部長は「(テロによるビル崩壊の)粉塵を見ると、どうしても阪神大震災を思い出す。青年はとにかく動かなければ」と話しています。
静岡教会では、テロ事件への本会の対応を掲載した9月28日付『佼成新聞』2000部を用いて手どりを展開。あわせて戸別に募金を呼びかけています。墨田教会では募金用の封筒1000通を手どりの中で会員たちに配付。沼田、奈良両教会でも独自の封筒を用意しました。
10月14日から21日までの8日間に街頭募金を行ったのは、旭川、室蘭、苫小牧、青森、盛岡、新潟、大田、名古屋など11教会。熊谷教会の会員たちは14日、鴻巣市主催の「おおとり祭り」に参加し、フリーマーケット会場で協力を呼びかけました。同教会幹部の一人は、一連のテロ報道によって「イスラム教への偏見が生まれないように」と祈りを込めました。
大阪教会の青年部員は今月、テロ関連救援のための実行委員会を発足。年内4回の街頭募金実施を決め、その第1回にあたる10月21日、学生部支部部長ら約20人が、中東の現状や本会の平和活動を学習後、JR大阪駅前に立ちました。宮崎教会では会員たちが、21日午前10時から午後8時まで10時間、募金を呼びかけました。
また、滋賀教会では青年部が中心となり、道場で「まごころバザー」を実施、約500人が参加しました。
【励ましの手紙】
本会の小学生、中学生、高校生が、米国の子供たちに送るメッセージは、各教会で随時集められています。第1次しめ切りの10月15日現在、全国から青年本部に届けられた「励ましの手紙」は約4000通にのぼりました。
その中で、浦和教会の少年部員は、少しでも手紙の相手が癒されるようにと祈りを込めています。
『もう二度とこんな事がないように私たちはしっかりした大人になりましょう。人をきずつける事はいけないこと、人々に伝えられる大人に。私たちが願えばきっと今のような世の中はなくなるでしょう。私たちの手で、この世の中を変えましょう』
手紙を送付後、「自分のいのちと同時に人のいのちも大切にしようと教えてくれたのは大人なのに、その大人がどうしてこんなことをしたの」と話していました。
一方、沖縄教会では小学生たちがカラフルな絵を添えてメッセージを送りました。三島教会でも「メッセージだけでなく絵も添えて」と募集したところ18通のメッセージが集められました。
三鷹教会では、子供たちが菩提樹の葉の形をしたカードにメッセージを書き込み、それを道場の壁に張り出した大きな菩提樹の木に添付。それを写真に撮って、手紙に添える予定です。
【学習会・啓発】
平和について改めて考える動きも活発です。小松教会は10月21日、道場に松原通雄・本部渉外部長を招き平和学習会を実施。小湊教会の会員は、独自にイスラム事情や庭野開祖の願った平和について学習し、10月15日、道場で発表しました。また、北教会では、庭野開祖の平和観を改めてかみしめようと、著書『この道』(庭野日敬開祖著)の輪読を開始。練馬教会では道場の掲示板にコーナーを設け、『佼成新聞』を掲示したほか、教会独自で作成する新聞『であい』でテロと平和について特集しました。このほか、水原、十日町、相模原、小田原、熱海などの教会で平和学習会の実施を検討中です。
市民への啓発を行っているのは佐世保教会の青年男女・婦人部員の有志。「武力による報復反対」「兵器・武器の根絶」を求める署名運動を展開中です。高山教会でも他の市民団体と共同で反戦の署名運動をスタート。28日の「京都まつり」では、近畿各教会が万灯行進する際、平和を求めるチラシを市民に配る予定です。
(2001.10.24記載)