本会が被災地で開始した「こころホット」ボランティア。被災者に「まごころ」を届けようと、温かい触れ合いが続けられている
東日本大震災で被災した人たちの精神的なサポートにあたる立正佼成会の「こころホット」ボランティアが3月1日、岩手県釜石市内の仮設住宅で始まりました。震災復興支援を推進する「こころ ひとつに」プロジェクトの一環で、釜石市社会福祉協議会が運営する茶話会などへの協力を通し、被災者に安らぎと希望を感じてもらえるような触れ合いを目指します。現在、本部職員によるプロジェクトメンバーが現地で活動を実施。今後、継続的な支援に向け、会員にも参加を募る予定です。
「こころホット」ボランティアは、仮設住宅の入居者に対し「心のよりそい」に重点を置いた支援を行うものです。釜石社協が進める語り合いの場「お茶っこサロン」を、複数の仮設住宅で担当することなどが主な内容です。
被災地では、仮設住宅への入居が進む中、震災前の地域の人々のつながりが途絶えたり、一人暮らしの高齢者が孤立したりするなどの問題が出ています。ボランティアは、こうした事態を防ぐ一助としても期待されています。
「こころホット」プロジェクトのメンバーは、現地で支援活動を視察するなど準備を進めてきました。
1日、メンバー7人は、釜石市鵜住居(うのすまい)町の日向E仮設住宅(43世帯)を訪問し、午前10時から午後3時まで、談話室で初めて「お茶っこサロン」を開設。訪れた8人の入居者を温かく迎え入れ、飲み物や菓子を提供しながら、一人ひとりの話にじっくりと耳を傾けました。室内には笑い声があふれ、和やかな雰囲気に包まれた。入居者同士も次第に打ち解け合い、震災時の様子や知人の消息、家族の話、仮設住宅での生活の様子などを語り合いました。
メンバーはまた、入居者と共に手芸などを行ったほか、幼児と紙風船やお絵描きなどで遊びました。さらに、お茶っこサロンの案内を兼ね、「見守り訪問」として各戸を訪れ、入居者と触れ合いました。
津波で家屋や車、漁船を失った50代の女性は、「初めて参加した。仮設住宅には誰がいるか分からないから、この場はとてもありがたい。皆と一緒に飲むお茶はおいしいね。今日は久しぶりに笑ったよ」と感謝を表しました。
プロジェクトリーダーの金澤尉順社会貢献グループスタッフは、「サロンに来られる方々は皆、お話がしたいという気持ちが大変強いようです。和気あいあいとした中にも、それぞれが大変な思いをされているのだと感じ、改めてお茶っこサロンの意義をかみしめました。目の前の方を大切に、明るく、優しく、温かい触れ合いをさせて頂きたい」と話しました。
釜石社協のスタッフは、「震災後のボランティア活動を通し、佼成会の皆さんの温かい人柄に信頼を寄せています。地域のコミュニティーをつくるため、まず住民の方々に集まってもらうことが大切。そのご縁になって頂く意味で、佼成会の皆さんのご協力はとてもありがたい」と期待を寄せています。
ボランティア活動は、年内をめどに、毎週金曜から日曜まで、市内4カ所の仮設住宅で実施される予定。今後、会員にも参加が呼びかけられます。
(2012.03.09記載)
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