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2012年03月21日 岩手・大槌町の大念寺で復興合同祈願式 WCRP日本委員会主催


庭野会長は、復興に向け宗教者が手を携えて「よき縁」となる大切さを強調。宗教宗派を超えた真心の祈りが捧げられた

WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会による「東日本大震災の追悼と鎮魂ならびに復興合同祈願式」が3月21日、岩手・大槌町の浄土宗大念寺(大萱生(おおがゆう)修明住職)で行われ、加盟教団や地元の宗教者約60人が参加しました。立正佼成会からは同委員会理事長を務める庭野日鑛会長はじめ村山禎英奥羽支教区長、小林克州釜石教会長、根本昌廣外務部長ほか8人の支教区長が参列。庭野会長が開催あいさつを述べ、宗教宗派別の祈りが捧げられました。

同式典は、『「東日本大震災をけっして忘れない」ための祈りと行動』をテーマにした同委員会「WCRP震災復興キャンペーン2012」の一環として営まれたものです。震災発生から1年となる3月11日から当日までの毎日、同委員会加盟教団では「14:46の1分間黙とう」を実施し、この日が迎えられました。
会場となった大念寺は震災時の避難場所として被災者を受け入れ、救援の拠点となるとともに、同寺だけでなく被災した他寺の檀家(だんか)の犠牲者の遺骨などを預かっています。
式典では、庭野会長が開催あいさつ。震災後の同日本委の被災者支援活動などを紹介しながら、復興に向け、短期・中期・長期の視点に立ったきめ細かい取り組みが必要と指摘。日本には「大和(だいわ)・調和」を国づくりの礎とする豊かな文化があり、「思いやり、支え合い、共に生きるという日本人の源流ともいえる精神性は、宗教者に共通する願い」と述べました。
その上で、目の前の人々の「よき縁」となりながら、共に復興の道を歩んでいく宗教者の役割に言及。「私ども宗教者が、『よき縁』、より良い『結び』の役割を果たし続け、「大和・調和」の精神に根ざした復興に向け、地道に貢献してまいりたい」と結びました。
続いて、教派神道、仏教、キリスト教、イスラーム、新宗教など九つの宗教宗派がそれぞれの儀礼に従い祈りを捧げました。法相宗大本山薬師寺の安田暎胤長老、日本ムスリム協会の樋口美作理事はじめ加盟教団の宗教者が登壇。この中で本会は、村山支教区長が導師、小林教会長と阿部記代子北陸支教区長が脇導師を務め、犠牲者追悼、被災者の平安、迅速な復興を祈念しました。
このあと、地震発生時刻の午後2時46分には、全員で被災地の方角に向かい、黙とうを捧げました。
最後に、大念寺の大萱生修一副住職=釜石仏教会副会長=が、式典の開催に謝意を表しながら、「本当に甚大な被害です。大槌は人口の一割近くを失いました。なかなか復興と言える状況ではありませんが、2年後、3年後と少しずつ変わっていけるよう、皆さまの祈りと温かい励ましを力に頑張っていきます」とあいさつし、閉式しました。
同日本委は先ごろ、「東日本大震災復興支援」プロジェクトとして、特別事業部門「タスクフォース」を設置し、被災者の心のケアを中心とした活動に中・長期的に取り組んで行くことを発表。今年のキャンペーンでは、復興支援ボランティアの派遣、復興支援募金の実施、「復興へ宗教者の提言」のための会議の開催を計画しています。

(2012.03.30記載)