スリランカ諸宗教評議会の代表団は、交流が深い本会を訪れ、庭野会長と懇談。同国内の融和に向けた宗教者の役割などについて意見を交わした(写真提供・WCRP日本委員会)
WCRP(世界宗教者平和会議)の国内委員会であるスリランカ諸宗教評議会(IRC)の代表団11人が、3月25日から29日まで来日しました。2009年まで約30年間続いた国内紛争終結後の復興と民族融和、平和構築に向け、日本の戦後復興や諸宗教協力の現状を学ぶのが目的です。同評議会の要請を受けたWCRP国際委員会が来日を主導し、WCRP日本委員会を中心に立正佼成会も受け入れにあたりました。本会はこれまで、WCRPと共に同国の和平に向け、長年宗教協力による支援を続けてきました。今回の代表団は仏教、ヒンドゥー教、キリスト教、イスラームの各宗教指導者で構成。来日中、本会を訪問し庭野日鑛会長(同日本委理事長)と懇談したほか、日本の諸宗教者、政府関係者らと面会しました。同国際委の杉野恭一副事務総長が同行しました。
3月25日から29日まで来日したスリランカ諸宗教評議会(IRC)の代表団11人は、期間中、諸宗教者や政府関係者らと面会しました。
26日、代表団は本会を訪れ、大聖堂特別応接室で庭野日鑛会長(WCRP=世界宗教者平和会議=日本委員会理事長)と懇談。酒井教雄本会顧問(WCRP国際評議員)が同席しました。この中で、ベランウィラ・アヌナヤカ・テロ同評議会会長(スリ・ジャヤワルデナプラ大学学長、仏教)は、「紛争中も宗教間の融和・調和が失われることはなかった」と強調。2008年に設立されたスリランカ諸宗教評議会は、11の県に地方評議会を持ち、国レベルのみならず草の根レベルでも宗教・民族間の融和を図りながら、医療や教育などのプロジェクトに取り組んでいることを伝えました。
庭野会長は、「WCRPの創設にかかわった庭野日敬開祖は、一仏乗の教えに基づき、みんな一つのいのちとして、調和・大和(だいわ)の精神で宗教協力に取り組んできました。その大きく強い精神を受け継ぎ、皆さま方と共に協力し、世界の平和に貢献させて頂きたい」と述べました。
代表団はこのあと、普門館で行われた同日本委員会役員との昼食会、同婦人部会発足30周年記念式典に出席しました。
27日には、東京・港区の国際文化会館でスリランカ平和構築及び復旧・復興担当日本政府代表の明石康氏と懇談しました。明石氏は、これまで同国の和平の取り組みや宗教指導者との交流を重ねてきたことを踏まえ、同国の宗教指導者が政府や市民に強い影響力を持つことを強調。国内融和に向けた役割に期待を寄せました。
代表団はさらに28日、外務省で玄葉光一郎外務大臣と会見しました。白眞勲参議院議員が同席した。玄葉大臣は、両国が伝統的に友好関係にあることを伝え、人権や経済などの分野で一層の支援を行う意向を表明。「皆さま方が宗教の垣根を超え、国民の真の和解が進展するよう心から期待しています」と語りました。
【メモ】スリランカの諸宗教者とWCRP、立正佼成会との関係
スリランカ国内で紛争が続いていた2002年、WCRP国際委員会、同日本委員会、全日本仏教会、本会のコーディネートにより、同国の仏教4法王が来日、平和共同宣言文を発表しました。このニュースは宗教指導者の影響力が強い同国内でも大きく報道されました。
その後、同国際委を中心に宗教間対話の取り組みが続けられ、08年、スリランカ諸宗教評議会が設立されました。現在、国内の11県に地方評議会が設置され、宗教・民族間の融和を図りながら、医療支援、宗教知識の啓発、語学教育などのプロジェトが実施されています。
本会でも庭野会長(同日本委理事長)が03年に同国を訪問し仏教指導者と懇談。また、一食(いちじき)平和基金を通じ、紛争で破壊された、人々の生活基盤となる溜め池の再建支援などを行ってきました。
(2012.04.06記載)
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