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2012年05月11日 立正佼成会「こころホット」ボランティアが本格始動 岩手・釜石市 会員が主体となり、仮設住宅入居者と温かな触れ合い


仮設住宅の談話室に開設された「お茶っこサロン」で入居者の話に笑顔で耳を傾ける会員たち(4日、唐丹町大曽根)

東日本大震災で被災した人々への心の寄り添いを目的とした立正佼成会の「こころホット」ボランティアが、約2カ月の先行実施を経て、4月20日より会員主体の本格的な活動としてスタートしました。同ボランティアは復興を支援する「こころ ひとつに」プロジェクトの一環で、初回は盛岡教会、2回目は弘前、釜石両教会の会員が参加しました。

震災復興支援 「こころ ひとつに」プロジェクトの一環

「こころホット」ボランティアは、釜石市社会福祉協議会が進める「お茶っこサロン」に協力し、仮設住宅内に設置された談話室で入居者に飲み物や菓子を提供しながら、主に話の聞き役となり、心に寄り添っていくもの。「お茶っこ」への誘いを通した「見守り訪問」も実施します。入居者に安らぎと希望を感じてもらえるような温かい触れ合いを目指すとともに、孤立を防ぎ、住民同士の触れ合いを深めてもらうことを目的としています。
本部職員で構成する「こころホット」プロジェクトメンバーを中心に3月から活動を始め、これまで釜石市内の11カ所の仮設住宅で42回の「お茶っこサロン」を実施、延べ337人の入居者を迎え入れました(7日現在)。
ゴールデンウイーク後半の4~6日(先行実施を含め、10組目)には弘前、釜石の両教会から合わせて12人が参加。プロジェクトメンバーや継続して参加する釜石教会の会員2人と合流し、2チームに分かれ3日間で6カ所の仮設住宅を訪問、活動を行いました。会員たちは談話室を訪れた入居者を温かくもてなし、被災体験や現在の暮らしぶりなどに耳を傾けました。
会員は初日の活動を終え、「一緒に笑ったり、折り紙やあやとりをしたり、皆さんと触れ合う中で私の心がふんわりと温かくなりました。そばにいさせて頂くだけで良いのかもしれません。相手に沿うことを大事にし、少しでも心をほぐすことができたらと思います」と感想を述べていました。また、教会渉外部スタッフは、「ある方は、前日の大雨に〈また何か起こるんじゃないか〉と不安で眠れず、避難用の荷物をまとめたことを打ち明けてくれました。このボランティアの名称通り、心がホッとする場づくりを継続することが大事だと感じます」と語りました。
釜石市仮設住宅団地支援連絡員は、「家や職を失った人たちはようやく、少しずつ、『仕様がない』と気持ちを切り替えつつあります。そうした中ですから、みんな、皆さんの訪問を楽しみにしています。今は何もすることがないという人たちにとって、楽しみができるというのがとても大事。今後もぜひとも続けてほしいと思っています」と、継続した取り組みに期待を寄せました。
活動は年内をめどに毎週金曜から日曜まで実施され、毎月(全4組)1支教区が担当することになっています。5月は奥羽支教区の会員が参加する予定です。

◆「こころホット」ボランティアが本格実施にあたり

プロジェクトリーダー 金澤 尉順

本会会員による被災地での「こころホット」ボランティアが、このほど本格的に運営を始めました。プロジェクトに対する皆さんのご理解とご協力に感謝申し上げます。
「お茶っこサロン」では、被災された方々への心の寄り添いや傾聴のほか、子どもたちとお絵描きや折り紙などもさせて頂きます。みんなで歌をうたい、仮設住宅の支援連絡員さんから「こんなに楽しそうな様子は滅多にありませんよ」と言われたこともありました。
同じ場所で触れ合いを重ねるなかで、皆さんが私たちの訪問を楽しみに待ってくださるようになりました。中には他の入居者を誘ったり、家から料理を持ってこられたりする方もいます。今まで言えなかった苦しみを初めて打ち明けてくださった方もいました。お互いに気持ちを通い合わせ、温かい人間関係を築けていることがとても有り難く、「継続する」大切さを感じています。
ある高齢の女性は「いつまでも下を向いていてもしようがないもの。前を向いて笑って過ごさなくちゃ」と言って、楽しそうに「釜石小唄」をうたい、踊りを披露されました。あとで知ったのですが、その女性は避難所で生活していたころ、毎晩うなされては、「津波が来るぞぉー、誰か助けろぉ、助けろぉ」と叫んでいたそうです。被災された方の心の傷はとても深く、体験した人にしか分からないのだと思いました。
震災から1年が経ちましたが今も、被災地の復興はこれからと感じています。持って行き場のない心の痛みを抱えている方もたくさんおられます。サロンを通して、皆さんの心に寄り添い、お話を聞かせて頂きながら、地域のつながりを再生するお手伝いをさせて頂きたいと願っています。それが「あなたを忘れない」というメッセージにもつながるのではないかと思います。
これからも、明るく・優しく・温かい応援の輪を会員さんと共に広げていきたいと思います。

(社会貢献グループスタッフ)

(2012.05.11記載)