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2012年07月06日 比叡山宗教サミット25周年を記念し、8月「平和の祈りの集い」開催

比叡山宗教サミット25周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」(主催・同集い実行委員会=日本宗教連盟に協賛する五団体はじめ諸宗教宗派・教団で構成、立正佼成会も参画)が8月3、4の両日、京都市左京区の国立京都国際会館、滋賀県大津市の天台宗総本山比叡山延暦寺などを会場に開催されます。今年は特に、昨年の東日本大震災を踏まえ『自然災害の猛威と宗教者の役割――3・11大震災と原発事故への反省と実践』をテーマに、記念講演、シンポジウム、フォーラム、「世界平和祈りの式典」が予定されています。7月6日、同集いの記者会見が京都市内のホテルで開かれ、概要が発表されました。

1987年、山田惠諦・第二五三世天台座主の提唱で、日本宗教連盟協賛五団体を中心に構成される「日本宗教代表者会議」を主催団体に「比叡山宗教サミット」が開催されました。その前年に当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の呼びかけにより、イタリア・アッシジで開催された「平和祈願の日」の精神を引き継ぐことを目的としたものです。以来毎年、天台宗国際平和宗教協力協会などの主催により比叡山で世界平和を祈る集いが催され、国内外の宗教者が宗教宗派を超えて真摯(しんし)な祈りを捧げてきました。
今年は25周年の節目を迎えて記念の集いと位置づけられ、テーマには『自然災害の猛威と宗教者の役割――3・11大震災と原発事故への反省と実践』が掲げられました。日本を含む13カ国からキリスト教、イスラーム、仏教、神道などの宗教者約2千人が参集。本会も庭野日鑛会長が実行委員会顧問、渡邊恭位理事長が同副実行委員長に名を連ねており、外務部、京都教会が運営に参画しています。
集いでは、国立京都国際会館で開会式典に続き、哲学者の梅原猛氏が『自然災害と人間の文明』と題して記念講演を行う予定です。このあと、シンポジウムで、近年、世界各地で猛威を振るう自然災害に対する宗教者の行動、役割などを検証。さらにフォーラムで、原発事故を踏まえ、現代文明の諸課題や人間のライフスタイルを考察し、宗教者の立場と責任が確認されます。延暦寺での「世界平和祈りの式典」では、各宗教別に平和の祈りが捧げられ、「比叡山メッセージ2012」が発表される予定です。
記者会見には、実行委員会名誉顧問の半田孝淳・天台座主、同顧問の徳増公明・日本ムスリム協会会長、実行委員の大塚喜直・カトリック京都司教区司教が出席しました。
半田座主は、東日本大震災と原発事故による甚大な被害に触れ、「人類は有史以来、自然の猛威を克服するために科学技術の発展に力を注いできたが、(原発事故は)人間の飽くなき欲望を満たそうと突き進むあまり、大自然に対する畏敬(いけい)の念を軽んじたことが根本にあるように思われてならない。宗教者の重大な使命は、亡くなった方々の霊を鎮めるとともに、喪失感、無力感、現実の生活の悩みに打ちひしがれている人々とともに歩むこと。集いでは、世界の宗教指導者と共に平和を祈り、弱い立場に置かれた人の救済のために真剣な祈りを捧げ、平和のために働く決意を新たにしたい」と述べました。

(2012.07.13記載)