パネルディスカッションでは、被災者の心に寄り添う支援の大切さが確認された
庭野平和財団主催の『宗教団体の社会貢献活動に関する調査』報告ならびに勉強会が12日、東京・新宿区内の貸会議室で開催されました。宗教者、各教団付置研究所の研究者ら約50人が参加。立正佼成会から庭野統弘学林学長、根本昌廣外務部長、赤川惠一外務グループ次長、川本貢市中央学術研究所所長らが出席しました。
同会は、昨年4月に同財団が実施した世論調査をもとに、宗教団体の社会貢献活動の認知度や評価、期待に関する情報をもとに、活動の意味合いを考察するもの。この調査は、同財団設立30周年の記念事業の一つとして2008年に実施されて以来2回目となります。全国20歳以上の男女4千人を対象に、調査員による個別面接調査が行われ、1232人(30・8%)から有効回答が得られました。今回は、昨年3月に発生した東日本大震災における宗教者の支援活動に対する認知や、評価が盛り込まれました。
当日は野口陽一同財団専務理事のあいさつに続き、調査を担った石井研士國學院大學教授が、12項目にわたる調査結果を報告しました。この中で、『東日本大震災で、宗教団体が行った支援活動は』=図1、『大規模な災害が起きたときに、宗教団体はどのような活動を行ったほうがよい?』=図3など東日本大震災に関する項目の結果に言及。「テレビや新聞などで報道されていましたが、東日本大震災での宗教団体の支援活動を『ひとつも知らない・わからない』と答えた人が5割近くに上ってる。ここをどう克服するかが課題」と述べました。
このあと、パネルディスカッションが行われ、茅野俊幸シャンティ国際ボランティア会専務理事と根本外務部長が被災地での支援活動を報告しました。
茅野氏は、活動の経緯を説明し、現在、岩手県内で行っている移動図書館の取り組みに触れ、「孤独を感じている人たちと顔が見える関係を構築していくことが大切」と語りました。
一方、根本外務部長は本会が震災発生直後から行っている「こころ ひとつに」プロジェクトを紹介。支援活動には「一食(いちじき)を捧げる運動」による浄財が充てられているとし、「格差社会の中で分かち合いの文化を築き、物だけではなく、心や精神性も共有していく必要がある」と訴えました。
(2012.07.20記載)
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