全国から有資格者205人が参加。記念講演や活動発表などを通じ、カウンセラーの心 構えを確認した
佼成カウンセリング研究所(篠崎喜美子所長)は今年、40周年を迎えました。9月8、9の両日には、『“原点”そして“今、ここ”から』をテーマに「平成24年次佼成カウンセラー有資格者全国大会」が横浜普門館で開催されました。当日は有資格者の佼成カウンセラー205人が参加し、40周年の意義をかみしめました。
同研究所は1972年10月、仏教精神を基盤としたカウンセラーの育成と社会貢献、布教活動援助のための教育機関として設立されました。同年11月に、全日本カウンセリング協議会に加盟し、翌年8月から「カウンセラー養成講座」をスタート。以来、養成講座や公開講座などによる「教育」、電話・面接による「相談」、よりよいカウンセリングを目指す相談研究会を通した「研究」の3分野を中心に活動を進めてきました。
4年間の受講期間を経てカウンセラー2級の取得を目指す「カウンセラー養成講座」からは、これまでに1175人の卒業生を輩出。所属教会での活動、同研究所での電話・面接相談をはじめ、スクールカウンセラーや子育て支援員、保護司、民生委員、教育委員を務めるなど、広く地域社会で活躍しています。現在は19期、20期生204人が受講中です。
昨年発生した東日本大震災では、教団の「こころ ひとつに」プロジェクトに参画。被災地に有資格者を派遣するとともに、「やわらぎツアー」で相談室を設けるなど、傾聴活動を通して被災者と触れ合いました。また、ボランティアとして災害現場で活動する際の心への影響やセルフケアに関する資料を作成し、善友隊の会員、職員をサポートしました。
8日の全国大会では、出射優行布教開発部長のあいさつに続き、「愛誠こころとふくしの相談室」の佐藤誠氏が『対人援助におけるボランティアスピリット』と題して講演。冒頭、ボランティアとは困難を抱える人の役に立ちたいと、自らの自由意思で行動することと説明し、佼成カウンセラーの有資格者の活動を讃(たた)えました。その上で、カウンセリングには志だけでなく、正しい技能が必要と指摘。秘密の保持や約束の厳守、先入観を捨てるなど9項目の心構えを示し、相手の話をありのままに受け止め、親身に寄り添う大切さを強調しました。 続いて、甲府心理臨床研究室代表の五味義夫氏が『カウンセラーの姿勢と感受性――私の心理臨床体験53年を省みて』をテーマに講演。家庭で暴力を振るう青年や不純異性交遊を繰り返す少女、心身症の女性などのカウンセリングにあたった経験を紹介し、「カウンセリング活動で大事なことは、待つことがどれだけできるか」と述べました。
翌9日には、有資格者3組の活動発表に続き、美作大学の山下和夫准教授が『援助者としての私のありよう――仏教とカウンセリングの交流から』と題して講演。カウンセリングでよりよい援助をするためには、まずカウンセラーが自らの内面を振り返り、自己のありのままを受け止めることが大切と説明しました。
(2012.09.14記載)
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