『平和で安全な未来の創造――喫緊(きっきん)の課題と解決策』をテーマに「第24回国連軍縮会議in静岡」(国連軍縮部、国連アジア太平洋平和軍縮センター主催)が1月30日から2月1日まで、静岡市の日本平ホテルで開催されました。世界16カ国3国際機関の政府高官、研究者、NGO(非政府機関)関係者ら74人が参加。立正佼成会から神谷昌道学林学監、保科和市社会貢献グループ次長が正式参加者として出席しました。
同会議は、世界各国の政府関係者や軍縮問題の専門家らが個人の資格で参加し、討議を通じて国際平和や安全保障への意識を高めるもの。1989年から毎年、日本の各都市で開催されてきました。
開会式であいさつに立ったアンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表は、核兵器の使用が生命や自然環境に与える甚大な影響について国際的な関心が一層高まっている現状に触れ、核廃絶とともに原子力の安全性にも目を向ける必要性を強調。小型武器の拡散防止を含め「暴力の文化とたたかうことが重要」と訴えました。
七つの主題を設けて行われた全体会議では、軍縮に向けた具体的な行動計画、アジアや中東地域の核開発問題、原子力の安全性などを焦点に意見が交わされました。
30日の『人道上の問題と核兵器』と題した全体会議Ⅰでは、国連軍縮調査研究所のティム・コーリー上席研究員が発表に立ち、2010年5月にニューヨークで開かれたNPT(核不拡散条約)再検討会議で採択された最終文書に、核兵器が及ぼす人道的影響に関する文章が盛り込まれたことを報告。地雷やクラスター爆弾を禁止したプロセスを参考に、核の非人道性に着目した廃絶の取り組みを進める重要性を提示しました。
席上、フロアから神谷学監が発言。人道的影響とは人のいのちにかかわる問題であり、核廃絶に対し、政府関係者や研究者だけでなくさまざまな分野の人が自らの問題として積極的にかかわることが大切と主張しました。
31日の『原子力安全と核セキュリティ』をテーマにした全体会議Ⅳでは、非核保有国である日本が、原子力発電所で一度使用した核燃料から、核兵器の原料にもなり得るプルトニウムを取り出し、大量に保有している現状が議論に上がりました。
このほか、『小型武器の管理』『市民社会の役割』『軍縮・不拡散教育』などに関して活発な議論が重ねられました。
(2013.02.08記載)
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