大聖堂で行われた法要には会員3700人が参集。犠牲者に回向供養の誠を捧げるとともに、復興を祈念した
東日本大震災の発生から2年を迎えた3月11日、大聖堂で「東日本大震災犠牲者慰霊並びに復興祈願法要」が厳修され、東京教区を中心に会員約3700人が参集しました。
同教区青年女子部員33人による奉献の儀に続き、読経供養。導師を務めた庭野光祥次代会長が、庭野日鑛会長による回向文を奏上しました。次いで渡邊恭位理事長が、立正佼成会の被災地支援活動のこれまでの成果と今後の継続などについて報告しました。
このあと、会員を代表して2人が体験を発表しました。岩手・釜石市の仮設住宅で行われている「お茶っこサロン」のボランティアに参加した会員は、入居者の「忘れないで」という言葉を胸に刻み、今後も継続した支援に取り組むことを誓いました。もう一人の会員は、福島第一原発事故のため避難し、家族が離れて暮らす中、励まし合うことで改めて家族の絆に気づけた功徳を報告しました。
講話に立った光祥次代会長は、信仰の有無にかかわらず、誰もが病気や死、災害を特別に免れることはできないと強調。その上で「災害の中でも絶望せず、幸せを見いだすことができるのが信仰の功徳」と述べました。
さらに、2月の「なでしこ善友隊」での、同原発事故の影響で避難生活を送る原町教会会員との交流を述懐。津波で息子を亡くすという体験を持ちながらも、今では周囲を気遣い、場の雰囲気を和ませ、感謝を口にする一人の会員を紹介し、「(子を亡くし)心が揺れ動いたに違いありません。しかし、その心をご法に照らして耕し、2年間かけて今の心境になられたのだと思います」と語り、教えに沿って生きる大切さを語りました。
悲しみ胸に 共に前へ 被災地の各教会で鎮魂と復興への祈り
【仙台】10日、山元町の常磐山元自動車学校跡地
東日本大震災の発生から2年を迎えた11日を中心に、被災地を包括する各教会では犠牲者を悼み、早期復興を祈願する法要が営まれました。
◇釜石 10日、教会道場で法要を行い、会員、来賓266人が参加しました。
読経供養のあと、5人の会員が、震災で犠牲となった家族や知人にあてた手紙を朗読しました。長谷川泰弘奥羽支教区長のあいさつに次いで、村山禎英前奥羽支教区長が講演。限りあるいのちに感謝し菩薩行に励むことが、犠牲者への一番の供養になると述べました。
また午後には、市内の根浜海岸に奥羽支教区の青年部員ら73人が集い、法要を営みました。
◇仙台 10日、教会道場で営まれた式典には、仙台教会をはじめとした東北支教区の会員約800人が参集しました。読経供養に続き、代表5人が体験説法。支援活動を通しての学び、家族といのちの尊さをかみしめた体験などが語られました。
同日午後からは世田谷教会の会員も参加し、沿岸部10カ所で慰霊供養を実施。犠牲者の冥福を祈りました。なお、11日にも地震発生時刻である午後2時46分に合わせて沿岸部で慰霊供養を行いました。
◇石巻 10日、教会道場で執り行われた法要では参列者200人の献花に続き、安井利光教会長を導師に読経供養。震災で犠牲者となった185家510体の戒名が読み上げられました。このあと、会員が体験説法を行い、安井教会長が結びの言葉を述べました。
道場内には「笑顔を忘れない」「心に寄り添いともに歩む」「法の証明役をします」など会員の誓願や希望、夢の書かれたパネルが掲示されました。
◇原町・平・磐城 原町、平、磐城の3教会が被災した福島支教区でも各地で法要が厳修されました。
10日、いわき市の永崎海岸には磐城教会と白河、郡山、両沼、会津の各教会の会員合わせて185人が参集し、式典を実施。献鶴の儀に続き、読経供養が行われました。壮年会員が被災体験に触れながら、学びや誓願を発表しました。
平教会でも同日、津波で被災したいわき市久ノ浜町の会員宅近くに130人が集い、法要を挙行しました。読経供養のあと会員が決意発表を行いました。
翌11日には、原町教会で式典が行われました。会員41人が集い、震災犠牲者の鎮魂と被災地の復興を祈願しました。
【石巻】10日、教会道場
【磐城】10日、いわき市の永崎海岸
決して忘れない 全国で思い新た
【慰霊法要】
震災から2年を迎える11日、全国の教会で「東日本大震災犠牲者慰霊並びに復興祈願法要」が行われました。
大阪教会では、読経供養のあと、会員が被災地でのボランティア体験をスライドを交えて発表。継続した支援の大切さを語りました。青・壮年部員を中心に行われた夜間式典では、教会屋上で、参加者が鎮魂の願いを込め、キャンドルと線香花火をともしました。
阪神・淡路大震災を体験した神戸教会では、9日の夜から翌朝まで、青年部を中心に『法華三部経』の通読供養を実施。また防災を学びました。厚木教会の会員は9、10の両日、宮城・石巻市を訪れ、慰霊供養を行いました。
【諸宗教による祈り】
高松、丸亀の両教会が加盟する香川県宗教者懇話会は7日、高松教会道場で犠牲者の慰霊と被災地の復興を祈願する集いを実施。仏教、カトリックなどから宗教者57人が参加しました。諏訪榮治郎カトリック高松司教区司教による同教団の被災地支援活動の報告に続き、各宗派の儀礼儀式で慰霊の誠を捧げました。
三島教会が加盟する三島地区宗教者懇話会は11日、静岡・三島市の三嶋大社で慰霊祭を開催。加盟団体の信徒らと共に真心から祈りを捧げました。10、11の両日には、同大社境内で、被災地復興支援の物産即売会を実施しました。
また、福井県宗教連盟は7日、福井教会で祈りの集いを開催。諸宗教合同の法要を営みました。
【講演会】
京都教会で9日に行われた新宗連(新日本宗教団体連合会)京都府協議会青年部の「福幸の祈り」では、教団別の祈りに続き、石巻市内で被災し京都に移住する会員が講演しました。同会員は、災害時に大切なものとして状況判断力、決断力、行動力の三つを挙げました。また、もう一人の会員が自衛隊員として被災地の復旧作業にあたった体験を伝えました。
古河教会では1日、釜石教会前総務部長が講演。津波で夫と自宅を失い、サンガと励まし合いながら、自らも被災者に寄り添ってきた体験を語りました。
福岡教会では10、11の両日、NPO法人「明るい社会づくり運動」前事務局長の小林康哲氏が明社による復興支援の取り組みなどを紹介しました。朝霞、熊本などの各教会でも震災に関する講演会が行われました。
【折り鶴】
筑豊教会では、会員たちが犠牲者の冥福を祈り3000羽の折り鶴を制作、10日に行った慰霊式典で献鶴の儀を行いました。新潟教会の青年部員らは40㌢四方の折り紙で作った折り鶴を10日の式典で奉納。府中、墨田など多くの教会でも折り鶴が供えられました。鹿嶋教会では10日、参加者全員が花、菓子、折り鶴などの供物を持ち寄り、ご宝前に供え、犠牲者の冥福を祈りました。
【街頭募金・バザー】
岡山教会は11日、式典終了後、会員43人が岡山駅前など3カ所に分かれ、被災地支援の街頭募金に立ち、市民に協力を呼びかけました。寄せられた浄財は、特定非営利活動法人「AMDA」を通じて被災地復興に役立てられます。このほか、八戸教会で街頭募金、呉教会では復興支援バザーが実施されました。
(2013.03.15記載)