韓国・釜山で開かれたWCCの第10回総会に渡邊理事長が出席。仏教徒代表としてスピーチした
渡邊恭位理事長は10月30日から11月1日まで韓国・釜山を訪れ、WCC(世界教会協議会)の第10回総会に出席しました。同総会は、『いのちの神、我々を正義と平和に導きたまえ』をテーマに11月8日まで10日間開催され、全世界から加盟する345のプロテスタント、聖公会、正教会の代表者、他宗教代表者、信徒ら合わせて約3千人が参集しました。渡邊理事長は開会式に参加したほか、31日の対話集会で発表に臨み、1日に行われたアジア全体会議であいさつしました。
WCCは1948年、エキュメニカル(教会一致)運動を展開するキリスト教プロテスタントの世界連合体として発足。現在、世界110の国と地域から5億人以上が加盟しています。7年ごとに開催する総会は最高意思決定機関で、活動方針や政策が定められます。立正佼成会とWCCは、WCRP(世界宗教者平和会議)創設の際から友好関係にあり、「第6回総会」(83年)に本会代表が出席。その後も総会などに招待されています。また、諸宗教対話に尽力したWCC第3代総幹事のフィリップ・A・ポッター博士が第4回庭野平和賞(86年)を受賞。歴代総幹事が庭野日敬開祖や庭野日鑛会長と対話交流を深めてきました。本会にとって、キリスト教との宗教協力を進める上で、バチカン(カトリック)と並ぶ重要なパートナーになっています。
31日、渡邊理事長は、会場の釜山国際展示場内でUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が主催した難民の心のケアを支援する署名式に参加。オラフ・フィクセ=トゥヴェイト総幹事や英国国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教らと共に署名しました。このあと、『宗教――平和構築に対する障害か、将来展望を約束する存在か』を主題にしたエキュメニカル対話に出席。『平和と自由のために協働する諸宗教』について発表しました。
渡邊理事長は「一乗」の精神に基づき宗教協力に取り組んだ庭野開祖の言葉を紹介し、「一乗の観点に立てば、すべてのいのちが等しく尊いものであり、異なる宗教を持っていても、平和な世界を目指して真剣に生きている同じ一つのいのちと見ることができます」と強調。仏教では、平和は平等であること、すべてが調和した安らぎの世界で、それは一つの宗教だけが求めて得られるものではないと説き、対話の場を通して相違点や共通点を分かち合うことが世界に平和を築くと発表しました。
1日、メーンホールで開かれたアジア全体会議では、仏教徒代表として渡邊理事長が登壇。『神の正義と平和のもとで共に生きる』をテーマにスピーチしました。WCRPへの協力を要請するため、庭野開祖がスイス・ジュネーブのWCC本部を訪ねた経緯やWCCが進める諸宗教対話協力に言及。「いかに他の宗教を持つ人々と共に生きていくことができるか、その視点から、WCCは諸宗教対話協力にも力を傾注されてきました。その果実の一つが、2011年にWCC、バチカン諸宗教対話評議会、世界福音同盟が共同で発表した『多宗教世界におけるキリストの証・信仰の実践のための提言』でしょう。他宗教の人々に対するキリスト者としてのふさわしい行動について述べた同提言からは、私たち仏教徒も多くを学ばせて頂きました」と讃(たた)えました。
さらに、多様性に富んだアジアでこそ、WCCの潜在能力や叡智(えいち)が発揮されると指摘。タイで開催された諸宗教対話プログラムに本会が招かれたことに対し、謝意を表しました。
なお30日夕、韓国立正佼成会釜山支部による懇親会が開かれ、渡邊理事長は現地の会員10人と交流を深めました。
(2013.11.08記載)
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