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2013年11月21日 国連UNHCR協会 山崎氏が来会し報告 シリア難民支援の現状語る


ヨルダンのザータリ難民キャンプ。ここでは、約12万人が避難生活を送る©UNHCR/L.Boldrini

立正佼成会一食平和基金が支援するUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のシリア難民救援事業について、国連UNHCR協会の山崎玲子氏が11月21日、事務庁舎を訪れ報告しました。

同国では政府と反体制派の武力衝突が激化し、現在、約650万人が国内外で避難生活を送っています。こうした状況の中、UNHCRは現地で難民の保護、食糧や仮設住居の提供、教育支援などを展開しています。
報告では、山崎氏が今年9月に視察したヨルダンの状況を語りました。
同国には、シリアから約55万人が避難しており、難民キャンプや都市部で暮らしています。仕事に就ける人は少なく、UNHCRなどの援助を受けて生活しています。また、家族や家を失い、多くの難民は心に深い傷を負っています。4歳の少年は、爆撃を逃れて避難して以来、物音を聞くたびに家から逃げ出すようになりました。家を焼かれて避難した家族は、悪化する母国の情勢を悲観し途方に暮れていたといいます。
「衣食住の環境が少しずつ整い、難民の尊厳や自主性を大事にした活動が重要になってきた」と山崎氏は説明。一方で、新たな難民への対応も続ける必要があり、「それぞれのニーズに合わせた支援をしていくことが大切だ」と話しました。
現在、UNHCRは協力団体と連携し、キャンプ内に自治組織をつくるなど、難民の自立を促す支援に力を入れています。さらに、学校や遊び場を設置して子供たちの精神的サポートにも取り組みます。また、約13万人の受け入れが可能なキャンプを新たに設立。警察や病院なども設置し、難民が自主的に運営できるよう組織作りを進めます。
「人間らしく生きたい。それが難民の切実な願いです。人々に笑顔が戻り故郷に帰れる日まで、皆さんのご協力に感謝し精いっぱいの支援を続けたい」と山崎氏は語りました。

(2013.11.29記載)