「アフリカへ毛布をおくる運動」(同運動推進委員会主催)が今年30年を迎え、現地で毛布の配付活動などにあたるADEO(アフリカ開発緊急機構)のベナード・ウェソンガ理事と、過去に毛布を受け取ったディナ・ディンディさんが、ケニアから4月3日に来日しました。同運動推進委員会の招きによるもの。13日までの滞在中、二人は各地を訪れ、立正佼成会会員や構成団体のメンバーに現地の様子を報告しました。
◆「毛布は命を守る貴重な財産」
ADEOは、アフリカ東部など5カ国で医療支援や衛生環境の改善などを行うNGO(非政府機関)。1999年からケニアやソマリアなどで毛布の配付に携わり、これまで約35万枚を難民やHIV(エイズウイルス)陽性者らに届けてきました。
8日、二人は本会を訪れ、大聖堂での「降誕会」式典に参加。ウェソンガ氏があいさつに立ち、紛争や自然災害が続くアフリカで毛布が人々の支えになっていることを報告し、30年にわたる会員の尽力に謝意を表しました。
また、エイズにより両親を失った子供たちが、一緒に毛布にくるまり寒さから身を守っているエピソードなどを紹介し、「皆さんの愛や思いやりが伝わり、人々は心が満たされ大きな喜びを感じています」と述べました。
このあと、二人は事務庁舎で川端健之理事長と懇談。本会内で運動を主管する社会貢献グループの保科和市次長が同席しました。
席上、ウェソンガ氏が、「避難民にとって、毛布は命を守る貴重な家財になっています」と毛布の意義を語ったのに対し、川端理事長は、「宗教者、政府、NGOが互いの協力関係を一層深め、問題の根本的な解決に向け努力を続けたい」と述べました。
◆共に市民宅訪れ、協力呼びかけ
二人は各地を訪れ、運動推進者、協力者に現地の状況を伝えるとともに謝意を表しました。
5日、名古屋教会で行われた愛知・三岐両支教区の報告会に参加。ディンディさんのあいさつに続き、ウェソンガ氏が現地報告を行いました。貧困により満足に食事が取れない人々の生活や、雨季に未舗装の道路が冠水して毛布の輸送が困難になるなど配付活動の苦労を伝えた上で、「毛布は人々の生活向上に役立つだけでなく、家族を守れるという安心感、自分を思ってくれる人がいるという精神的な充足にもつながっている」と述べました。6日には、甲府教会で開かれた甲信支教区の報告会に臨席しました。ウェソンガ氏の現地報告を前にあいさつに立ったディンディさんは、エイズで夫を亡くし、5人の子供を抱え生活に困窮する中、自身と末子がHIV陽性者だと判明した体験を述懐。受け取った3枚の毛布を今も大切に使っていると話し、感謝を伝えました。
このあと二人は、会員と共に近隣の市民宅を訪れ、運動への協力を呼びかけたほか、メッセージの縫いつけや梱包(こんぽう)作業に参加しました。翌7日には、現地の様子を伝えるパネル展示を開催するなど、長年、運動に協力する山梨中央銀行の本店(甲府市)などを表敬訪問しました。
さらに12日には、東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された同運動推進委主催による市民を対象にした報告会に出席。現地の状況や配付活動の様子を伝えたほか、今後の取り組みに向けた意見交換などを行いました。
(2014.4.25記載)
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