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2014年09月11日 第66回「同宗連」研修会 ハンセン病患者への差別問題学ぶ

「同宗連」(『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議)の「第66回『同宗連』研修会」が9月11、12の両日、群馬・草津町で行われました。立正佼成会を含む15教団、1団体から32人が参加。ハンセン病患者に対する偏見や差別問題に焦点が当てられました。

11日、弁護士の国宗直子氏が『菊池事件について』と題し、町内のホテルで講演しました。同事件は、1951年に熊本県で発生した爆破、殺人事件。ハンセン病を疑われた男性が逮捕され、死刑判決(62年執行)を受けたが、冤罪(えんざい)事件との指摘もあります。
国宗氏は、予断に基づく同事件での見込み捜査や逮捕後の調書捏造(ねつぞう)、非公開裁判の背景に、ハンセン病を差別する社会運動や風潮が大きく影響していたと強調しました。
翌12日には、国立ハンセン病療養所の「栗生楽泉園」で同園自治会長の藤田三四郎氏が講演しました。藤田氏は、1907年の「癩(らい)予防ニ関スル件」制定から96年の「らい予防法」廃止まで、ハンセン病の感染予防を名目に患者を社会から隔離してきた政策などを説明。断種や妊娠中絶が強制的に行われるなど、患者の人権が著しく侵されていたことにも言及しました。さらに、完治後も世間の差別を恐れる家族の反対により実家に戻れず、高齢になった今も療養所で暮らすケースが多い現状を紹介しました。
続いて参加者は、元入所者が埋葬されている納骨堂を参拝したほか、重監房資料館を見学しました。重監房は園内にある患者の懲罰用施設で、冬季は氷点下20度にも達し、暖房や十分な食事、治療が施されず、9年間で延べ93人が収監され、23人が死亡しました。参加者は、収監者が強いられた厳しい生活について学びました。

(2014.9.19記載)