「こころ ひとつに」プロジェクト推進本部(本部長=沼田雄司教務局長)はこのほど、2011年3月の東日本大震災発生後、立正佼成会が取り組んできた被災地支援活動の中間報告(3年間)をまとめました。本部主管の活動をはじめ、全国の調査結果に基づく各支教区や教会の活動が項目別に詳述されています。支援活動の全体像がまとめられるのは今回が初めて。報告書は、本会の支援活動が被災地に心を寄せる全国の会員の真摯(しんし)な菩薩行の結実であることを再確認するとともに、各教会が取り組みを共有し、継続的な支援活動を促すものとして期待されます。
東日本大震災発生後、本会は直ちに「災害対策本部」を設置、被災地の緊急救援活動などにあたりました。同年12月には「こころ ひとつに」プロジェクト推進本部が発足。被災地のニーズの変化に応じ、長期的、継続的な視点も含め被災地の復旧・復興支援活動が進められています。
報告書では、本部主管の活動として、善友隊(本部奉職員)の派遣、会員ボランティア(被災者宅の復旧作業など)、物資・生活・医療・教育支援、全国統一の街頭募金、被災者の心身を癒やす「やわらぎツアー」、岩手・釜石市の仮設住宅で傾聴などを行う「こころホット」ボランティアなど30項目にわたる取り組みを紹介しています。
一方、震災直後から被災教会では安否確認や救助活動などが行われたほか、近隣教会や全国の教会も迅速に物資支援などを展開。現在も物心両面にわたる支援活動が行われています。
報告書では、各教会の活動として、本部主管ボランティアへの参加(162教会)、被災地への物資支援(139教会)、教会独自の募金活動(113教会)、被災地の商品購入(94教会)、復興支援バザー(89教会)、被災地での慰霊供養(84教会)、支教区主管ボランティアの参加(77教会)、震災に関する学習会の実施(70教会)、被災教会への訪問(65教会)、教会独自のボランティア(61教会)などを列記しています。
このうち教会独自に実施したボランティア活動の内訳は、がれき撤去、泥かき、物資搬送、草刈り・花植え・植林、漁業支援、傾聴、炊き出しなど。また、募金、バザーによる浄財の寄託先は、各自治体、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会、日本赤十字社、ユニセフ(国連児童基金)などとなっています。
併せて今回、支援活動にあたる全国の会員の感想も寄せられました。被災地の窮状に思いを馳(は)せ、自分にできる取り組みを模索し、実践する様子が綴(つづ)られています。
「こころ ひとつに」プロジェクトは「第11次教団運営計画」(平成24年次 29年次)の重要施策として位置づけられており、今後も被災地のニーズを見極めながら、長期的、継続的かつ、きめ細かな支援活動が続けられます。
寄り添い、共に歩みを 同推進本部長 沼田 雄司
震災後、被災地を訪れた会長先生は、被災された方々を前に「心を一つにして」と繰り返し述べられました。「こころ ひとつに」プロジェクトは、そのお言葉を基にしてスタートし、また、「あなたを忘れない」という光祥さまのお心を指針として、現地のニーズに即し、さまざまな活動を続けてまいりました。
同時に、全国の教会や会員の皆さんも会長先生、光祥さまのお心を受け取り、自分たちにできる貢献のあり方を考え、活動に取り組んでこられたのではないかと思います。震災発生から3年が経過したのを機に、これまで実際にどのような支援活動が行われたのかを把握し、教団全体の取り組みとしてまとめておく必要があると考えました。
各教会へのアンケートを通して明確になったのは、遠くで眺めているわけにはいかない、私たちも率先して体を使わせて頂きたいという、会員さん一人ひとりの真摯(しんし)な思いです。そして、その願いに応え、教会も皆さんが支援活動に参画できるような機会をつくってくださいました。私たち会員の心には、開祖さま、脇祖さまから受け継がせて頂いている精神が息づいているのだと改めて感じています。
支援活動に携わられた会員さんの中には、実際に現地で災害廃棄物の撤去や泥かきなどにあたられた方もいます。また、手芸品などを作って被災地に贈られた方もいます。さらに、活動には直接参加されなくても、ご家族をボランティアに送り出してくださったり、義援金に協力してくださったりと、多くの方々がさまざまな形でご協力くださいました。皆さま方の尊いご支援に心より敬意を表したいと思います。
こうして支援活動をさせて頂き、被災された方々のお力にならせて頂けることは、私たちにとって大きな喜びでもあります。これからも、被災された方々に寄り添いながら、皆さまと共に復興に向けて歩ませて頂きたいと願っております。
(2014年10月10日記載)