2015年02月06日
ミャンマーの石碑修復、碑文研究事業 アロン博士が概要を報告 中央学研が資金助成
中央学術研究所が資金助成を行うミャンマーのクドードゥ・パゴダ石碑の修復・保存および碑文研究事業の初回報告会が先ごろ、同研究所で行われ、共同研究代表者のマーク・アロン博士(シドニー大学)が計画の概要を報告しました。事業評価委員会委員長である逢坂雄美・仙台高等専門学校名誉教授のほか、立正佼成会から川端理事長ら15人が出席しました。
クドードゥ・パゴダ石碑は19世紀後半、コンバウン王朝末期のミンドン王が大理石にパーリ語の仏典を刻ませたもの。石碑は計729枚あり、個別に小仏塔に納められているが、経済的な理由などでこれまで適切な対策がなされず、経年劣化や落書きなどの汚損が甚だしいものがありました。
同事業では、アロン博士を中心とした研究チームによる石碑の清掃・修復保全をはじめ、石版の仏典をデジタル化するための撮影や碑文の研究などさまざまな活動を予定。現在、実施に向けて保全専門家による評価・調査が行われています。
同研究所はこれまで、英国パーリ文献協会や仙台高等専門学校の逢坂名誉教授らと共同で初期仏教の研究を続けてきました。これらの関係の中で、同事業への支援要請を受け、昨年、資金助成を決定。初年次は約170万円が拠出されました。
報告会では、アロン博士が事業の概要や仏塔の歴史を紹介。実際の石版の損傷具合、緊急対応として簡易な鍵といった管理機材を設置する必要性などを説明しました。その上で、今後、事業を進めるにあたり現地の考古学者や自治体などと協力体制を整えていくことを提言しました。
(2015年2月 6日記載)
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