『諸宗教指導者、議員、コミュニティー間の核不拡散、軍縮に向けた協力を促進する』をテーマにWCRP(世界宗教者平和会議)国際委員会は8月6日、広島市内のホテルでPNND(核軍縮・不拡散議員連盟)、平和首長会議とハイレベル円卓会議を開催しました。PNND日本のメンバーである藤末健三参議院議員ら20人が出席。立正佼成会からWCRP日本委員会核兵器廃絶・軍縮タスクフォースメンバーの中村憲一郎総務局長が参加しました。
杉野恭一同国際委副事務総長が議長を務めたオープニングでは、杉谷義純同日本委理事長(天台宗宗機顧問)、逢沢一郎衆議院議員、藤田幸久参議院議員、小溝泰義同首長会議事務総長があいさつ。この中で小溝氏は、同首長会議には現在161カ国・地域の6779人の首長が参加し、2020年までに核兵器の廃絶を目指していることを紹介しました。その理由として「高齢化する被爆者に核兵器のない世界を見て頂きたい」と説明し、実現への意欲を語りました。
続いて、PNNDグローバルコーディネーターのアレン・ウェア氏を議長に会議が進められ、米国の核実験の被害が残るマーシャル諸島のアバカ・マディソン議員やニュージーランドのシェーイン・レティ議員らが活動を報告。国富敬二WCRP日本委事務局長、大西英玄・音羽山清水寺執事補の見解発表のあと、「核兵器のない世界・人類共通の利益 核時代の始まりと国際連合設立から70年の節目における、議員、首長、宗教指導者による声明」が示され、採択されました。
この声明文は今後、各組織でメンバーに周知され、署名を集めた上で9月26日の核兵器廃絶国際デーに国連へ提出されます。
「核兵器のない世界:人類共通の利益 核時代の始まりと国際連合設立から70年の節目における、議員、首長、宗教指導者による声明」
第二次世界大戦の廃墟から、また広島・長崎への原爆投下のあとに続いて、戦争に終止符をうち、「大量破壊に使われるすべての武器を廃棄する」という共通のビジョンのもとで国際連合が設立された。
それから70年経った現在も、世界の兵器庫には、16,000もの核兵器が未だに存在しており、そのために年間1000億ドルが費やされている。この資金は、気候変動に対処し、貧困の撲滅やその他の社会的・経済的要請への取り組みに充てることができるものである。
議員、首長、宗教指導者として、私たちは事故、誤算または故意にかかわらず、今なお続く核の大惨事のリスクと核廃絶を達成すべき道義的かつ安全保障上の義務について、声を一つにして強調する。
私たちは、核兵器廃絶が「最高位にある人類共通の利益」とした潘基文国連事務総長の言葉を再確認し、支持する。
首長は市民の安全と福祉を守ること、ならびに文化と環境の価値、遺産の保全、促進に対して責任があり、議員は現在および次世代のための国家政策や法律に責任があり、宗教指導者は共有されるべき道義的原則と人種・国籍・宗教の違いを問わずすべての人々の安寧を促進する責任がある。
首長、議員、宗教指導者として、ともに、核兵器廃絶という人類共通の利益を支持する。私たちは、私たちの人間性を脅かし、道義的原則を犯し、国際法に違反し、現在と未来の世代の安全と安寧を妨げる核兵器を拒否する。
私たちは、深く広く共有された道義的原則と法の支配と非暴力による紛争解決への深いコミットメントに基づき、共通の安全保障と安寧を促進するため、原則に基づいた行動を行うことを誓う。
私たちは、世界の指導者に対し、核兵器廃絶を誓約し、紛争に対して核抑止から共通の安全保障のアプローチへと切り替えることを要求する。さらに私たちは、国家に対して、核兵器禁止条約、あるいは核兵器を廃棄する複数の合意の枠組みを促進することを要請する。
私たちは、それぞれの構成員の関与を促すとともに、この重要な使命を促進するために宗教指導者、議員、首長の間の協力を強化することを誓う。
(2015年8月20日記載)
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