庭野日敬開祖と共に立正佼成会を創立し、会員から「慈母」と慕われた長沼妙佼脇祖。その遺徳を偲(しの)び、人々の救済のために教えを広く伝えていくことを誓う「脇祖さま報恩会」が9月10日、大聖堂はじめ全国各教会で行われました。大聖堂には約3000人の会員が参集しました。法話に立った庭野日鑛会長は、自分を省み、正していく大切さを強調しました。
大聖堂での式典では、奉献の儀のあと、在りし日の長沼脇祖の法話が流れました。続いて読経供養が行われ、導師を務めた庭野光祥次代会長が庭野会長の報恩讃歎(さんたん)文を奏上しました。
体験説法に立った阿部記代子高知教会長は、庭野会長の「真理を認識することが行である」との法話を受け、教えをさらに深く学び、本物の信仰を身につけたいと強く思った体験を述懐。家族の不和に悩む会員や、教学が苦手な壮年部員との出会いを通し、「目の前の縁は自分を教えて頂く仏さまからの説法」とかみしめた功徳を話し、行学二道の精進に一層努めていきたいと誓願しました。
登壇した庭野会長は、人間の苦悩は、人生を思い通りにしたいと執着する心から生まれるとし、その執着から離れるには目の前の現象をそのまま受け入れることと説明。周りを思い通りにするのではなく、物事に振り回されないよう見方を変える大切さを強調し、「やるなら今やる、今日から変えていくと覚悟をすると、安楽の境地になれる」と述べました。
また、京都大学第16代総長を務めた平澤興氏の『極楽は 遠きかなたと 聞きしかど わが極楽は この身このまま』という短歌を紹介。一家の主人が率先してあいさつすると、どんな不幸の中にあってもその家庭には神仏の光が差し込み、今いる場所が極楽になると語りました。さらに、親自身が正しい行いを素直に実践することが子供の教育の秘訣(ひけつ)であるとし、「人を責めずに己を省みる。自己を正せば、無理をせずともおのずと良くなる」と説きました。
(2015年9月24日記載)
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