米・ニューヨークの「9・11記念博物館」で9月25日、「平和の証人――ローマ教皇フランシスコと諸宗教の集い」が行われ、米国在住の仏教徒を代表し、立正佼成会ニューヨーク教会支部長の庭野寧子さん(42)が平和のメッセージを読み上げました。庭野さんは、庭野日鑛会長の四女に当たります。
同集いは、ローマ教皇フランシスコの初訪米に伴い開催されたもの。教皇はこの日、2001年の米同時多発テロ事件で崩壊した世界貿易センタービル跡地を訪れたあと、集いに出席しました。
集いでは、カトリック・ニューヨーク大司教のティモシー・ドーラン枢機卿による歓迎のあいさつ、教皇による「追悼の祈り」に続き、ヒンドゥー教、仏教、シーク教、キリスト教、イスラームの順で各代表者が「平和の瞑想(めいそう)」。庭野さんは、スリランカのバンテ・ヘンブンネ・コンダンナ師と共に仏教徒を代表し、「勝利は終わりのない報復の連鎖を生み、敗者は苦しみの中に生きるのです。平和に生きる人は勝利も敗北もなく、幸福を味わい生きるのです。人は互いの争いの心を増幅させてはなりません(中略)。すべての人が幸せな心を持てますように」とのメッセージを英語で読み上げました。
このあと、教皇が約500人の聴衆を前に、言語や文化、宗教の多様性を基盤とする結束の重要性を訴えました。
藤田悦子同教会長は、庭野日敬開祖が第二バチカン公会議で初めてローマ教皇パウロ六世に謁見(えっけん)して50年目に当たることに触れ、「孫の寧子支部長が教皇さまと同じ壇上に立たれたことに、ただただ神仏の深いおはからいを感じました。お数珠を持ち、おたすきをかけて平和のメッセージを読む姿に、感無量でした。この諸宗教対話の取り組みを次世代にしっかりとつなげていきたい」と振り返りました。
(2015年10月 8日記載)
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