WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会は11月10日、福島・郡山市のビッグパレットふくしまで「フクシマコミュニティづくりプロジェクトの集い」を開催しました。同プロジェクトで支援したNPO法人など31団体から約100人が参加。立正佼成会から、WCRP日本委震災復興タスクフォースの根本昌廣外務部長が出席しました。
「フクシマコミュニティづくりプロジェクト」は昨年10月、同日本委の震災復興支援事業の一環としてスタート。これまで4期にわたり、津波や東京電力福島第一原子力発電所の事故による避難生活が長期化する福島県でコミュニティーの再生や、活性化に向けた取り組みを展開する59団体に計約1140万円を助成してきました。今回の集いは、同プロジェクトで支援した団体からの活動報告や交流を通し、復興に取り組む者同士の連携を深めることが目的です。
当日は、『避難地域における住民同士の支え合い』『離れて暮らす家族への助け合い・寄り添い』『放射能問題との向き合い』『祭り・芸能による心の繋(つな)がり』の4テーマについて、NPOや自治体組織など8団体が登壇し、根本外務部長をコーディネーターに活動報告を行いました。この中で、「元気の素カンパニー以和貴(いわき)」の植木秀子理事長は、避難地域での支援活動を報告。「原発への不安や生活の焦りなど目に見えない問題」を抱える住民が「地域・家族・仲間・心」の四つの元気を取り戻せるよう、映画の上映会や炊き出しのワークショップなどを通して交流を続けていると話しました。
また、「ふくしまGreen space」の杉浦美穂理事長は、子供たちが安心して遊べる緑地環境を目指し、植物の放射線量の測定や樹皮の除染実験などを行っていると発表。その上で、公園に植えられた桜が深刻なセシウム汚染の状態にあることを市に報告し、除染の許可を求めたものの、空間線量が国の基準値内にあるとの理由により断られたと伝えました。その経験を踏まえ、「福島県独自で新しい除染基準を設けるべき」と訴えました。
次いで、「相馬盆踊りを守る会」の米山宏志会長が、同プロジェクトの助成金で震災によって壊れた櫓(やぐら)を復旧し、今年の夏に相馬市の盆踊り大会を復活させたと報告。原発事故の問題で故郷を離れる人が多い中、「伝統芸能は市の活性化になくてはならないもの」と主張し、今後は盆踊りを学校行事に組み込むなどして若い世代に引き継いでいきたいと語りました。
午後は、先の4テーマに分かれて情報交換会を実施。活動の中で見えてきた課題点などについて意見を交換したあと、全体での分かち合いが行われました。
(2015年11月19日記載)
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