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2015年12月10日 本会 人や自然、地域との調和を図る道場建設へ 平成22年からモデルづくり


昨年、落慶式が行われた浦和教会の道場。切り妻屋根には、太陽光発電装置が設置されました

立正佼成会では平成22年から、「本部施設(本部、教会)の簡素化」を目標に掲げ、人や自然、地域との調和を図る道場建設が進められてきました。また、自然環境を尊ぶ取り組みとして大聖堂や事務庁舎のほか、20教会に太陽光発電装置が設置され、全国の教会でLED照明への切り替えが実施されています。さらに、このほど完成した茨城教会の新道場には、地熱を利用して室温を一定に保つ地中熱換気システムを導入。温室効果ガスの排出削減などの成果につながっています。


茨城教会には、地中熱換気システムが導入されました。天井には従来の空調機はなく、床の通気口から冷気や暖気が出てきます

教団は平成22年から、新道場の建設に際し、「本会の道場としての適正な機能」や、建物の設計から解体処分に至る「ライフサイクルコスト」の視点を導入。以来、「簡素」「安心安全」に加え、「心を尊び(親しみやすい教会)、人を尊び(ユニバーサル建築)、地球を尊ぶ(サステナブル建築)」という要素を活かした教会道場の建設が、管財グループ(現・管財施設グループ)を中心に進められてきました。
具体的には、地元の町並みとの融和を図りながら、ユニバーサルデザインや省エネルギーなどを考慮。これらのコンセプトに基づいて、最初に建設された松江教会では、地元の資材を使った切り妻屋根と段差のない動線(経路)、多目的室や多目的トイレの設置、タイルカーペット、個別空調、複層ガラスの窓などが採用され、その後の道場建設に活かされています。
また、来年、入仏・落慶式を迎える茨城教会の新道場には、一部のスペースを除いて従来のエアコンは設けず、地中にある自然の熱源を利用して冷暖房を行う地中熱換気システムを導入。湿度の管理もでき、省エネ効果が期待されています。
同教会の総務部長は「地熱という自然の恵みを利用できる上、室内の空気もクリーンで快適です」と話します。
一方、自然環境を尊ぶ取り組みとして、昨年まで15教会に太陽光発電装置を設置。今年、福島、宇都宮、春日部、豊中、小倉の5教会に設置され、計20教会になりました。
大聖堂と事務庁舎を含めたこれらの施設での総発電量(平成27年10月8日まで)は、704.35キロワット。12万2319立方メートルの二酸化炭素の排出削減につながりました。石油に換算すると約310万リットル(200リットルのドラム缶1万5500本分)の削減に相当します。
また、全国の教会では法座席、ご宝前、事務室の照明をLEDに切り替える工事を順次実施。管財施設グループでは、各メーカーのLED蛍光灯の消費電力や明るさも検討し、使用するものを決定しています。

(2015年12月10日記載)