16カ国の執行委員を含む60人が参加。平和構築への活動を進めるため、ACRPの今後のあり方が熱心に議論されました
アジア宗教者平和会議(ACRP)執行委員会が4月29、30の両日、韓国・ソウル市で行われました。この開催に合わせ、ACRP共同会長である庭野日鑛会長は4月26日から5月2日まで、同国を訪問。滞在中には、初めて行われた「日韓宗教指導者交流」に世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会会長として参加するとともに、圓佛教の耕山張應哲(キョンサンチャンウンチョル)宗法師と懇談し、同市で行われた圓佛教創立100周年記念式典に出席しました。
今年のACRP執行委員会は4月29、30の両日、ソウル市内のホテルで開催されました。
ディン・シャムスディーン実務議長(インドネシア)、デスモンド・カーヒル副実務議長(オーストラリア)、畠山友利事務総長をはじめ、16カ国から執行委員ら60人が参加。日本から、共同会長の庭野日鑛会長(WCRP/RfP日本委員会会長)、執行委員の杉谷義純・天台宗宗機顧問(同理事長)、植松誠・日本聖公会首座主教(同理事)、黒住宗道・黒住教副教主(同)、川端健之立正佼成会理事長(同)、国富敬二・同日本委事務局長が出席しました。
29日午前、平和の祈りに続き、シャムスディーン実務議長、キム・ヨンジュ韓国宗教人平和会議(KCRP)会長、ウィリアム・ベンドレイWCRP/RfP国際委員会事務総長があいさつ。この中で、シャムスディーン実務議長は、暴力の問題が深刻化する世界情勢の中で平和を築いていくため、「ACRPは行動志向の運動体に進化していかなければならない」と述べました。また、ベンドレイ同事務総長も、今こそ「宗教の智慧(ちえ)と宗教者の経験が求められている」とし、「愛と慈悲の連帯を」と呼びかけました。
次いで、ACRPと各国内委員会の活動、昨年のネパール大地震の被害に対するACRPと同国際委、ネパール委員会の支援活動などが報告され、その後、2日間にわたる「審議」に入りました。
審議では、一昨年の第8回ACRP大会で採択された仁川(インチョン)宣言にある11の提案に応えるため、昨年のインドネシア・バンドンでの執行委員会で具体的な取り組みを決定した「戦略計画」が中心議題になりました。
戦略計画では「平和推進への取り組み」「紛争解決と和解への取り組み」「パートナーシップの構築」「記念事業の実施(ACRP40周年)」「ACRPとそのサステナビリティの強化」の五つの目的を掲げ、プロジェクトや想定される成果などが示されています。今回の審議では、目的の達成に向けた各国内委員会の活動状況、課題や新たな方策が検討されました。
この中の「紛争解決と和解への取り組み」では植松師が、同日本委がミャンマーの宗教指導者10人を招いて東京で開催したシンポジウムの内容を報告しました。「パートナーシップの構築」では黒住師が、昨年東京で世界イスラーム連盟(MWL)と「対話プログラム」を共催したことを紹介。また、『宗教の名を使った暴力的過激主義』(仮)をテーマに同日本委主催の同40周年記念シンポジウムが今年10月、京都で行われることが杉谷師から紹介されました。
審議ではこのほか、キルギスの諸宗教対話組織の加盟と東ティモールの対話組織のオブザーバー参加が承認されました。
なお、27日午後には執行委員会に先立ち共同会長会議が行われ、庭野会長が出席しました。
(2016年5月 6日記載)
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