宗教の智慧を生かし、「和解と赦し」に基づく真の友好を築くために、ソウルに参集した日韓の宗教指導者
4月30日のアジア宗教者平和会議(ACRP)執行委員会終了後、会場を別のホテルに移し、韓国宗教人平和会議(KCRP)と世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会による「日韓宗教指導者交流」が初めて開催されました。両組織の代表27人が出席。WCRP/RfP国際委員会のウィリアム・ベンドレイ事務総長、杉野恭一副事務総長が同席しました。
両組織は、これまでも連携を図り、東北アジアの安定や日韓友好への活動を続けてきました。特に「日韓青年交流会」は1990年以来、2年に一度互いの国を訪問し合う形で行われています。今回の交流は、平和への理念を共有する宗教指導者が信頼をさらに強め、両国に「和解と赦(ゆる)し」に基づく友好を築いていくために実施されました。
当日は平和の祈りに続き、キム・ヨンジュKCRP会長と庭野日鑛同日本委会長があいさつ。キム会長は、世界平和への協働の努力と情熱によって「近くて遠い国」といわれる日韓関係が「近い国」になることを願うとともに、「積極的に交流と連帯を図っていけば実現は可能」と語りかけました。
一方、庭野会長は、両国は地理的に「隣人」であるのみならず、文化的、歴史的に「兄弟」と強調。これまでの交流や対話の取り組みに触れ、「政治的な状況にかかわらず、宗教者としてお互いを知り、学び合いながら信頼を深めてまいりたい」と述べました。
この後、両組織の各役員が、宗教者の役割や友好への思いなどを述懐。閉会に際し、あいさつに立った杉谷義純同委理事長は相互理解について触れ、英語の「understand」を示しながら「相手の下に立たないと本当のことは見えてこない。謙虚な気持ちがなければ理解し合えない」と語り、宗教的智慧(ちえ)に基づく交流の継続に期待を寄せました。
なお、次回の同交流は来年、日本で行われる予定。その後、2年ごとに互いの国を訪問し、実施していく意向です。
(2016年5月 6日記載)
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