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2016年07月02日 新宗連青年会 ユースフォーラム2016 気候変動やエネルギー問題学ぶ

気候変動と今後のエネルギーの利用について学ぶ、新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)の「ユースフォーラム2016in静岡」が7月2、3の両日、静岡・掛川市で開催された。テーマは『Act with prayer to one~地球のために今私たちが出来ること』。同フォーラムは、異なる信仰を持つ青年がさまざまなテーマについて共に学びを深めていくことを目的に、毎年開催されている。本会を含む加盟10教団から87人が参加した。

2日、同市内のホテルを会場に行われた研修では、認定NPO法人「環境市民」の風岡宗人氏が講演した。風岡氏は冒頭、世界経済の発展と気候の関係を表したデータを示しながら、経済の発展とともに地球温暖化が進んできたと説明。経済成長のために、現在の水準でエネルギーを消費し続けると、将来、海面水位の上昇、各地で洪水被害、食糧や水不足が深刻化すると訴えた。
また、原子力発電についても触れ、原子力発電所の再稼働に向けた現在の安全規制の基準、さらに放射性廃棄物の最終処分は「安全」というには問題が多いと指摘した。その上で、原発依存から再生可能エネルギーへの転換を法制化したドイツや、チェルノブイリ原子力発電所事故を教訓に国民投票で原発の無期限停止を決定したイタリアなど、脱原発に向けた先進国の動向を紹介。安全性の議論が不十分なまま原発を再稼働させる日本の原発政策について、世界の主要国の潮流に逆行すると懸念を示した。個人向けの電力の完全自由化がスタートしたことも紹介し、消費者が自らエネルギーを選択する重要性を語った。
翌3日、一行は中部電力浜岡原子力発電所を見学。発電所職員から原子力発電の仕組みや同発電所の構造のほか防犯設備や災害時の安全対策などについて説明を受けた。
閉会式で、岩渕明大新宗連青年会委員長は「原子力発電の利便性を学んだ一方、環境に対しては脱原発の重要性を教えられました。対立する二つの考えから何を選択していくのか。私たちにできることを考え、行動につなげることが大切」と語った。

(2016年7月14日記載)