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2016年09月17日 佼成カウンセリング研究所 カウンセラー有資格者全国大会 被災者と共に

佼成カウンセリング研究所による「佼成カウンセラー有資格者全国大会」が9月17、18の両日、横浜普門館で開催された。テーマは『祈り そこに 共に――震災からの5年間』。全日本カウンセリング協議会の認定資格を持つ佼成カウンセラーら延べ256人が参加した。

17日、稲毛田貴史同研究所所長のあいさつに続き、小林克州釜石教会長、久保木伸浩原町教会長、北海道東北臨床宗教師会代表で曹洞宗円通山普門寺の高橋悦堂副住職がそれぞれ講演に立った。
この中で、小林教会長は、震災発生当時からの会員との触れ合いを紹介。身内や家を失い、厳しい状況の中でも他を思い、心を前向きに切り替えようと努める会員の姿を通し、「信仰者として目の前の人に誠心誠意寄り添える私になることが、神仏から頂いた命を大切に生きることだと受けとめ、精進させて頂きたい」と誓った。
続いて、久保木教会長は、福島県では今も9万人近い住民が県内外に避難し、風評による差別を受けていると説明。「ふるさと」とは風景や環境に加え、そこに同じ時間を過ごした“人”がいることであり、「除染したからといって元に戻るわけではない」と指摘した。
その上で、信仰者として祈りを通じて被災地に思いを馳(は)せ、忘れないことが重要と強調し、「今を生きる私たちが、『まず人さま』の心で、精いっぱい生き切ることが大切」と語った。
一方、高橋代表は、宗教的な心のケアを専門とする「臨床宗教師」の活動を詳述。終末期の患者と触れ合う中、自らの死生観を見つめる必要性を実感したと語り、「人が生きる意味、死や命、幸せとは何かを宗教者がしっかりと考え、子や孫の世代に伝えることが大事」と述べた。
翌18日は、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会と関わりのある、「子どもが自然と遊ぶ楽校(がっこう)ネット」の江川和弥事務局長、「ママcafeかもみーる」の千葉由美氏、浪江町老人クラブ連合会の藤田保正会長が活動を報告した。
この後、講演者5人が登壇。WCRP/RfP日本委の篠原祥哲平和推進部長と稲毛田所長が進行役を務め、全体シェアリングが行われた。

(2016年9月23日記載)