2016年12月08日
「カジノ法案」に反対 本会中央学術研究所が「意見書」発表
カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を推進する議員立法「カジノ法案」(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案=IR推進法案)が12月2日、衆議院内閣委員会で可決された。これを受け、本会中央学術研究所(川本貢市所長)は5日、同法案に対する「意見書」を発表。カジノ解禁による社会への負の影響を指摘し、反対の意を表明した。意見書は同日、教団ホームページに掲載された。
同法案は、カジノや会議場、ホテル、ショッピングモールなどを含めた統合型リゾートの整備を進めるための基本法案。平成25年、国会に提出され、廃案となった後、昨年4月に再提出された。集客を目的に、カジノ解禁が盛り込まれており、「カジノ法案」「カジノ解禁法案」と呼ばれる。中央学術研究所では一昨年から、日本社会への影響などについて検討を重ねてきた。
法案推進派は、カジノ解禁によって大きな経済効果がもたらされ、雇用の創出、地方自治体の税収増といった地域振興も見込まれると強調する。一方、海外では、統合型リゾートの収益が上がっていない状況も指摘されており、「経済効果」を疑問視する声も少なくない。
さらに、カジノは、刑法で禁じる賭博行為。解禁されれば、ギャンブル依存症の増加、青少年への影響、反社会的組織の勢力拡大などが懸念される。各報道機関による世論調査では「反対」が過半数を占め、日本弁護士連合会なども法案反対の意見書を発表している。
同法案は、11月30日に審議入りし、衆院内閣委員会での審議はわずか2日間だけで採決が強行され、可決された。与党・自民党は6日の衆院本会議で法案を通過させ、会期末の14日までに参議院での可決・成立を目指している。
(2016年12月 8日記載)
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