7月28日からハンガリーのブダペスト市で開催されていたIARF(国際自由宗教連盟)第31回世界大会が8月2日、閉幕しました。今大会には、世界25カ国、約650人の宗教者らが参加。市内ブダペスト経済大学を会場に、6日間にわたり、宗教間の対話、平和実現に向けた具体的実践のための積極的な討議を重ねました。立正佼成会がIARFに加盟して33年。13度目の参加となる今大会には、山野井克典理事長を団長に、会員代表70人が出席しました。大会テーマ「宗教的自由 今日の世界におけるヨーロッパの軌跡」に基いた約30のプログラムに精力的に参加するとともに、他宗教の人々と草の根の交流を行いました。
今大会では、主に、ヨーロッパの人々が経験してきた宗教的理由による人権侵害や抑圧、また、宗教的自由獲得のための闘いの歴史などを学ぶ一方、現代社会にいまだ根強く残る宗教間の争いや差別、偏見の現実を認識し、個々の信教、思想の自由が侵されない社会を築くためにはどうしたらいいかに焦点があてられました。
また、昨年9月11日に米国で発生した同時多発テロ事件、依然、緊張状態が続くイスラエルとパレスチナの衝突にも大きな関心が寄せられました。
大会では、国連特別報道官であり国連人権委員会副会長のアブデルファッタ・アモール氏による『宗教的自由――実現は可能なのか』と題した講演をはじめ、パネルディスカッションやプレゼンテーションを通して世界の宗教的課題点が報告されました。さらに、参加者たちは、6つのワークショップ(1宗教教育2諸宗教間対話3自発的実践規範の促進4宗教的促進のための情報技術の活用5戦略企画6プログラムデザイン)のいずれかを選択し、平和実現に向けた具体的な案を出し合いました。
このほか、法座形式のサークルグループやさまざまな宗教儀礼に沿った祈りの集いが行われました。最終日の総会では、これまで6年間にわたり国際評議委員を務めた酒井教雄・本会参務の後任として、山野井理事長がIARF国際評議委員、財務委員長に就任することが決定しました。
(2002.08.07記載)
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