インドネシアのアブドゥルラフマン・ワヒド前大統領が11月3日、本会を訪れ、一乗宝塔を参拝後、庭野日鑛会長と懇談しました。WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会平和研究所副所長の眞田芳憲・中央大学教授、山野井克典理事長らが同席しました。
ワヒド前大統領は、イスラム宗教学者として知られ、インドネシア最大のイスラム団体「ナフダトゥール・ウラマ」の議長(1999年まで)を務めていました。ヨルダン・アンマンで開かれたWCRP7(第7回世界宗教者平和会議)では基調講演を行っています。このほど、大阪・堺市で行われた国際シンポジウム(主催・堺国際交流協会)で講演するため来日。同協会の加藤均会長の仲介で本会を訪問しました。
懇談の席上、ワヒド前大統領は、イスラムがいかなる暴力も認めていないことを強調。「大きな落とし穴は、テロを抑止するための武力行使に走ること。暴力に対し暴力で応じないことは、口にするのは簡単ですが、非常に複雑な問題です。私は何とかその道を見出したい。そのために皆さまの協力を得たいと思います」と話しました。
庭野会長が「『不殺生戒』に示されているように、仏教の立場からも暴力は否定しています」と応じると、ワヒド前大統領は「マハトマ・ガンジーの"非暴力"を合言葉に、すべての宗教者が力をあわせて世の中に貢献できます。今こそ、宗教界の私たちが世の中にモラルを提示していかなければなりません。大切なのは、宗教の本義に戻ることです」と、宗教者としての信条を披歴しました。
また、ワヒド前大統領は庭野日敬開祖を思い出しながら「開祖さまは私どもにとりまして大先輩でありました。異なる宗教が協力するという道をつくってくれたのです。あらゆる面で、私たちのモデルでした」と述べました。
(2002.11.13記載)
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