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2003年02月15日 大聖堂で涅槃会

釈尊の大慈悲に感謝し、人さまに尽くすことを決意する「涅槃会」式典が2月15日、大聖堂で行われました。全国70教会の団参参加者を中心に会員約3800人がこれに参集しました。

釈尊は、布教伝道に歩いた45年間で、苦悩から解放される道を示し、他に尽くすという人間本来の生き方を明らかにされました。「涅槃会」は、その遺徳に感謝を捧げ、菩薩行の実践を誓う行事です。降誕会、成道会とならび仏教3大行事のひとつとなっています。晩年の釈尊は、阿難ら弟子たちと共に、王舎城から故郷のカピラバストへ向う途中、クシナガラにたどりつきました。沙羅双樹の下で、「自灯明・法灯明」「無常の法」を最期に説き、80歳で入滅したと伝えられています。
式典では、当時の深い悲しみを偲ぶ「仏涅槃図」が聖壇に飾られ、入滅を再現するVTR「大いなる旅立ち」が放映されました。芳ジュ女学院情報国際専門学校と海外修養生の女性46人による奉献の儀のあと、読経供養が行われました。導師をつとめた庭野日鑛会長は啓白文を奏上し、全世界への布教伝道を誓願しました。
庭野会長は法話の中で、「迷いを消す」という「涅槃」のひとつの意味を掘り下げて解説。「精神的に不和や不安を感じる時には、争いや怒りの心、愚かさが働いており、逆に、生きていて楽しく、教えを有り難いと感じる時は、仏さまの教えを身に体して、前向きに精進している状態です」と述べました。さらに、仏さまの教えの中心は、「いのちというものがいかに尊いかに目覚めること」として、生きがいのある生き方のヒントを示しました。
なお式典では、イラク攻撃の回避を願い、ワールドピースAwake実行委員会の作製した「祈りのことば」が司会者によって朗読され、会員たちは黙祷を捧げて、世界平和を祈念しました。庭野会長は法話の中で「私たちが心すべきことは、平和を乱す心が私たち一人ひとりにあり、それを反省・内省していくことです」と述べました。また、「いのちの尊さに目覚め、多くの人にそれを伝えることで、一人ひとりの心の中に平和を打ち立てることが、戦争を防いでいく一番の基本です」と話し、参集者に仏道精進を促しました。

(2003.02.21記載)