『宗教と平和の課題――東洋と西洋で継承されるアッシジの精神』をテーマにした宗教者による対話セミナーが5月26日、京都教会国際会議室で開催され、カトリックや仏教など約30人の宗教者が参加しました。本会から篠崎友伸理事が出席しました。
同セミナーは、カトリックの在家運動体である聖エジディオ共同体(本部・ローマ)の呼びかけにより開催されたものです。同共同体は1986年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の呼びかけで実現した「諸宗教による世界平和祈願の日」(イタリア・アッシジ)の精神を受け継ぎ、「人々と宗教の集い」を翌年から毎年、開催しています。
また、天台宗を中心とした日本の宗教者も同様の願いで、1987年から毎年、「比叡山宗教サミット」を行っています。今回のセミナーは、宗教者が互いに「アッシジの精神」を確認し合い、平和に向けた今後の取り組みを模索することを目的に3部構成で行われました。
『諸宗教間対話と平和』をテーマにした第1部では、西郊良光・天台宗宗務総長が『アジアにおける諸宗教間対話』について、アゴスティーノ・ジョバニョーリ・聖エジディオ共同体アジア部長が『平和に対する諸宗教の貢献』についてそれぞれ発言しました。『アッシジの精神』をテーマにした第2部では、、田中健一・カトリック名誉京都司教が『1986年アッシジ、世界平和の祈りの日』、アルベルト・クアトルリッチ・同共同体人々と宗教の集い事務局長が『人々と諸宗教の集い』、杉谷義純・WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会事務総長が『比叡山宗教サミット』について語りました。また、第3部では、『対話の道――展望』と題して、園田善昭・コンベンツァル聖フランシスコ修道会日本管区長がキリスト教の視点から、篠崎友伸理事が仏教の視点からそれぞれ発言しました。
続いて、廣瀬靜水・大本総長(代読)、生命山東西霊性交流センターのマリア・デ・ジョルジ師、峯岸正典・曹洞宗長楽寺住職がコメントしたあと、コーディネーターとして吉澤健吉・京都新聞編集局文化報道部情報担当部長を交え、平和に向けた宗教者の役割を討議しました。この中で、「『敵』の中にも正義を見るという神仏の立場に人間が少しでも近づくことが大切」「平和はつくり出すものではなく、現実の世界に見出していくものというとらえ方が宗教者ならではの視点ではないか」といった意見が出されました。このあと、今後も「アッシジの精神」を基盤に、祈りや対話を続けていくことが平和への貢献になるとの見解で一致しました。
(2003.06.06記載)
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