「立正佼成会一食平和基金運営委員会(委員長=松原通雄外務部長)」はこのほど、台湾で深刻さを増す新型肺炎「重症急性呼吸器症候群(SARS)」の感染拡大防止と、5月中旬にスリランカ南西部で発生した洪水の被害者救援を目的とした緊急支援を行いました。
台湾への支援は、医療用マスクや防護服、手袋などの購入費用にあてられます。台湾教会を通じて台北、台南、屏東の3市に延べ300万円が贈られ、6カ所の医療施設に配付されます。一方、スリランカへは、洪水の被災者救援活動にあたっている同国赤十字社に約120万円の支援が行われました。
WHO(世界保健機関)の報告によると、5月29日現在、台湾でのSARSの感染者は660人、死亡者は81人にのぼりました。死亡者数は減少傾向にあるものの、感染者は依然として増加しており、現在もなお、予断を許さない状況が続いています。
院内感染によって感染が拡大した経緯がある台湾では、医療施設での感染防護が最優先課題の一つとなっています。このため、今回の支援金は、問診や治療にあたる医師、看護師が着用する医療用マスク、防護服、手袋などの購入費用にあてられます。台北、台南、屏東の3市を通じて、多数の感染者が収容されている台湾大学病院や台北市立和平病院など6カ所の医療施設に贈られます。
一方、スリランカ南西部では5月17日から18日にかけ、集中豪雨による地滑りや大規模な洪水が相次いで発生。この災害による死亡者は250人以上にのぼり、行方不明者を含めると500人以上が犠牲となりました。家屋の全半壊、農作物被害なども甚大で、約40万世帯が被災しました。同国では1947年以来、最悪の洪水被害となっています。
今回、同平和基金から拠出される浄財1万ドルは、本会海外布教拠点のスリランカ連絡所を通じて同国赤十字社に贈られ、被災者の救済活動に役立てられます。
(2002.06.06記載)
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