WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会青年部会の発足30周年記念式典が6月21日、立正佼成会京都教会で開催され、同部会のメンバーをはじめ、同委員会加盟教団の青年や役職者など約170人が参加しました。
式典では、青年代表10人による献花に続いて、林丈嗣・同部会幹事長があいさつしました。林幹事長は、「出会い」「啓発」「実践」という活動方針を再確認したあと、「今後も平和実現に向け、さらに前進してまいりたいと思います」と述べました。
白柳誠一・WCRP日本委理事長(カトリック枢機卿)、三宅美智雄・金光教常盤台教会長(同部会初代幹事長)の祝辞に続き、同部会歴代幹事長のメッセージを収録したビデオが上映されました。
『21世紀の日本の宗教青年に期待すること』と題して講演を行った黒住宗道・黒住教副教主は、「自己中心的な風潮が高まる現代社会で、宗教青年が率先して、いのちの大切さ、信仰することの喜びを人々に伝えて頂きたい」と述べ、青年の活躍に期待を寄せました。
式典後、同教会体育館に会場を移し、記念祝賀会が行われました。なお、式典に先立って開かれた同部会の総会で役員改選が行われ、三宅道人・金光教常盤台教会副教会長が次期幹事長に就任することが決まりました。
WCRP日本青年部会『30年の歩み』
WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会青年部会は今年、発足30周年を迎え、その記念式典が6月21日に開催されました。同部会のこれまでの歩みを紹介します。
1970年、京都で開かれたWCRPⅠ(第1回世界宗教者平和会議)では、本会青年部員をはじめとする多くの青年がボランティア活動にあたりました。また、会期中、急きょ「青年集会」を開催し、宗教協力による世界平和の実現について熱心に討議しました。
こうした同大会での青年の団結が萌芽となり、1973年、WCRP日本委員会加盟教団の青年代表20人によって青年部会が発足。「出会い」「啓発」「実践」という活動方針のもと、宗教を異にした青年たちの活動がスタートしました。
相互理解の場としてまず、「青年部学習会」が実施されました。これは各教団施設を会場に、その教団の儀礼・教義を学び、平和に向けた宗教者の役割について確認し合うものです。同年、比叡山延暦寺で第1回目の学習会が行われ、以降、年2回、同部会の活動の柱として続けられました。
1996年からは、学習会に代わり、サマーキャンプを実施。青年同士の交流を図るとともに、平和や社会問題に対する宗教者の取り組みについて討議しています。同キャンプは、大学生で構成される実行委員会が企画、運営するなど、自主性が尊重されており、人材育成の面で大きな成果をあげています。
アメリカ・プリンストンで開催されたWCRPⅢ(1979年)の際には、初めて「青年の翼」が就航し、青年代表たちは、同会議に参加したあと、アメリカ各地の宗教施設を訪れ、現地の宗教青年と共に祈り、対話しました。その後、「青年の翼」は、WCRPやACRP(アジア宗教者平和会議)の大会が開かれるたびに実施され、毎回、独自のプログラムが展開されています。
1990年に始まった「日韓青年交流会」は、今年で7回目を数えます。同交流会は、ほぼ1年おきに、両国で相互に開催され、韓国と日本の宗教青年が交流を通し、理解を深め合っています。
過去の歴史を巡って議論が白熱し、一時は交流会の存続が危ぶまれることもありました。だが、平和を願う宗教者として互いに信頼を積み重ね、現在、両国の青年の間には、真の友人としての固い友情が結ばれています。
また、今年1月には、「青年ボランティア隊」が東京・台東区山谷でホームレスの人々への炊き出しをスタートしました。同ボランティア隊は、今後も定期的に活動を続けていく予定です。
平和に向けて"若い力"を結集し、行動し続けてきた青年部会に、今後もさらなる取り組みが期待されます。
(2002.07.04記載)
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