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2003年10月08日 「第2回教団付置研究所懇話会」開催

『宗教研究者が集える領域づくり』をテーマに「第2回教団付置研究所懇話会」が10月8日、佼成図書館視聴覚ホールで行われました。「教団付置研究所懇話会」は国内の仏教、神道、キリスト教などの教団に付設される研究所が宗教宗派を超えて、研究課題や問題意識を共有し、協力を深めていこうと昨年、設立されました。当日は山野井克典理事長が出席したほか、立正佼成会の中央学術研究所はじめ19の研究機関から約75人が参加。曹洞宗総合研究センターの粟谷良道専任研究員による研究報告に続いて、研究発表が行われました。

同懇話会は、各研究所がそれぞれの教義・世界観を基に進めている現代の諸問題に対する研究成果を情報交換し、協力のできる可能性を探っていくことを目的に昨年10月、結成されました。
滋賀県大津市の天台宗宗務庁内にある天台宗総合センターで行われた発足式には大本教、孝道教団、金光教、浄土宗、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、神社本庁、新宗連(新日本宗教団体連合会)、曹洞宗、天台宗、天理教、日蓮宗、日本キリスト教協議会(NCC)、辯天宗、立正佼成会から宗教者、研究者ら52人が参加。同懇話会の方向性が示され、年1回、懇話会が開催されることになりました。また、年ごとに「当番」が設けられ、今年は、本会の中央学術研究所が当番研究所を務めています。
今回の懇話会では、山野井理事長のあいさつに続いて、『「葬祭――現代的意義と課題」を出版しての問題点』と題し、曹洞宗総合研究センターの粟谷専任研究員が研究報告を行いました。粟谷氏は、同センターが発刊した書籍『葬祭』の内容に触れ、日本人の葬祭儀礼が、民俗信仰と仏教とが融合する形で成り立ってきた経緯を説明。一方で、近代合理主義によって現代人の死生観が変容する中で、葬祭への考え方が多様化していることを強調し、「宗旨」の立場から、葬祭の意義を見つめ直していく必要性を訴えました。この報告に対して、浄土宗総合研究所の武田道生研究員がコメントを述べました。
午後からは、『宗教とテロリズム――9・11をめぐる考察』と題し中央学術研究所の小林正樹所員が、また『近代宗教間対話の歴史的背景――仏教とキリスト教に関して』と題しNCC宗教研究所のマルティン・レップ氏が研究発表。引き続き、今後の懇話会のあり方などについて意見交換が行われました。

(2003.10.17記載)