バチカンの聖ペトロ(サンピエトロ)大聖堂の背後に夕日が沈む10月16日の午後6時(現地時間)、同大聖堂前の広場で教皇ヨハネ・パウロ二世の選出と即位25周年を祝う祝賀ミサが執り行われ、5万人を超える信徒が参加しました。ミサには、全世界から参集した枢機卿149人、30人の新任枢機卿、各国の代表司教や政府使節団が参列。庭野日鑛会長はヨハネ・パウロ二世の教皇在位25周年に際し、祝賀メッセージを送りました。
ミサ中の説教でヨハネ・パウロ二世は選出直後の自身の心の深奥を明らかにし、「人間的な視点からは驚愕し」、「大きな責任の前で躊躇した」が、「私の主であるキリストの前で、自身の信仰に忠実であるべく、自身をキリストと教会の母(である聖母マリア)に託し、大きな種々の困難を予測しながらも、教皇職を受けた」と述べました。25年間にわたる在位を通して、「良き牧者(キリスト)は羊たち(教会、信徒)のために自身の生命を捧げる」「キリストの苦難を証する」ことに専念してきた教皇は、「キリスト、人間、そして、人類全体のために奉仕できるように助けてください」「私の人間的な弱さを知りつつも、キリストが彼に従うように励ましてくださる」と胸中を披歴しました。
本会の庭野会長も教皇即位25周年の機会に、ヨハネ・パウロ二世に宛てて祝賀メッセージを送り、「法王さまが、ご病気の御身をおして、またご高齢にもかかわらず、精力的に世界各国を訪問され、人々に和解と信頼の大切さを訴えておられることは、遠く日本にも伝えられております。そのお姿に触れるたび、私は、宗教者の一人として、心の奮い立つ思いが致します」と敬意を表しました。さらに、「1986年、2002年の2度にわたるアッシジ市での歴史的な集いに参加する中で、あらためて法王さまの熱意に接し、宗教者としての使命と自覚を新たにさせて頂くことができました」と述懐。「立正佼成会は、今後も、カトリックの方々をはじめ、全世界の諸宗教者と手を携え、愛と慈悲にあふれた世界の実現に向けた精進を重ねる決意であります」とメッセージを結んでいます。
25年の在位期間を通し、一貫して、世界平和のための諸宗教対話と協力の重要性を訴えてきたヨハネ・パウロ二世は、25周年の機会に公表されたカトリック司教に関する公文書の中でも、「私が何度も繰り返したように、諸宗教間における対話は諸国民間の平和に奉仕するものでなければならない。確かに、諸宗教伝統は分裂を超え、諸国民間に相互友愛と尊敬を促進してゆくために必要とされる(霊的)資源を有している」との確信を明らかにしています。
また、ヨハネ・パウロ二世は19日、バチカン広場でマザー・テレサを「福者」の位に挙げる式典を司式し、カトリック教会が貧者や社会から脱落した人たちに奉仕することの重要性を強調しました。式典には、世界から30万人もの人々が参加しました。
(宮平宏・佼成新聞ローマ支局長)
(2003.10.24記載)
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