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2003年12月10日 庭野会長がスリランカを訪問し仏教法王と会見

庭野日鑛会長は、12月10日から15日まで、39年ぶりにスリランカを訪問しました。国内紛争の続く同国では、現在、停戦協定のもとで和解交渉が進められています。昨年6月には、立正佼成会のコーディネート、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会、全日本仏教会の協力により、同国四大仏教教団・宗派の法王らが来日。紛争解決に向けた平和共同宣言文を発表すると共に、法輪閣で庭野会長と懇談しました。今回は、その返礼として同国を訪れました。また和平の実現に向け、両国宗教者間、特に仏教徒間の対話促進が目指されました。庭野会長は、古都キャンディなどで各教団・宗派の仏教法王と相次いで会見。コロンボでは、歓迎式典に参加したあと、本会のスリランカ連絡所を訪ね、現地会員を激励しました。

同国では、人口の70%以上をシンハラ民族が占めます。長年、政府によるシンハラ優遇政策がとられたため、少数派タミル民族の解放を訴えるタミル・イーラム解放の虎(LTTE)が分離独立運動を展開。タミル人国家樹立を目的に武装闘争を続けました。内戦による犠牲者は約6万5000人、避難民約80万人。最も対処の難しい紛争の一つとされています。
2001年12月、和平推進派政権が誕生し、暫定的な停戦協定が成立。昨年6月には、同国国民の精神的支柱とされる仏教法王らが来日し、平和共同宣言文の中で、和平に向けた道徳的、精神的、物質的な緊急支援を国際社会に要請しました。この動きは、国民の約8割が仏教徒の同国内で反響を呼びました。
スリランカ仏教法王の来日は、本会、WCRP日本委員会、全日本仏教会の相互協力によって実現しました。紛争解決に向けた宗教者の具体的な取り組みとして評価されています。
12月10日夕、スリランカ・コロンボ入りした庭野会長は、翌11日、北東約120キロに位置するキャンディに移動。シーアン教団アスギリヤ派僧院でガラガマ・スリ・アッタダッシ副法王と懇談しました。同副法王は、ウドゥガマ・スリ・ブッダラキッツア法王がインドを訪れていることを説明。同教団を代表して歓迎の意を表しました。庭野会長は、「日本の伝統仏教の方々、WCRPの方々と共にスリランカの平和に貢献していきたい」との意向を伝えました。
またシーアン教団マルワット派の僧院では、ランブクウェラ・スリ・ヴィパッシ法王と会見しました。国内で多大な影響力を持つ同法王は、「日本の仏教徒とスリランカの仏教徒が手を携えていくことを大変幸せに思う」と一層の協力推進に期待を寄せました。庭野会長は、諸宗教対話・協力の歩みに触れ、「さまざまな宗教者と共に、世界平和を目指して努力させて頂いている」と本会の基本的な姿勢を説明。今後の協力のあり方について、同席した「四法王平和開発基金」(昨年7月設立)の関係者からも意見を聞きました。
このあと、同国の象徴的な仏教寺院であり、釈迦の歯が納められているとされるダラダ・マリガワ寺院(仏歯寺)を参拝しました。
13日は、ミリガマに移動。ラーマニア教団のウェウェルデニヤ・メダランカラ法王と1年半ぶりに再会しました。同教団僧院では、庭野会長の到着を民族舞踊と日本の国旗で歓迎。会見の席上、メダランカラ法王は、「日本を訪問し、本当にスリランカのことを理解してくださる方がいることを知った。和平に向け、今後も支援を頂ければ有り難い」と述べ、庭野会長に感謝状を贈りました。同日夕には、ラトゥマラナにあるアマラプラ教団の僧院にダヴルデナ・ダナニッサラ法王を訪ね、教団主要メンバーを交えて懇談しました。
さらに14日午前、コロンボ市内のキャラニヤ寺で催された「歓迎式典」(カル・ジャヤスーリヤ・電力エネルギー大臣主催)に出席。約2000人の信徒子弟らが庭野会長を出迎えました。同寺は、釈迦が訪れたと伝わる聖地の一つ。参拝のあと、マヒンダ住職、ジャヤスーリヤ大臣と懇談しました。
昼には、コロンボ市内のホテルで、ジャヤスーリヤ大臣主催の昼食会に出席。与党副党首であり、「四法王平和開発基金」の理事長も務める同大臣は、法王の日本訪問に対する本会の支援に謝意を述べると共に、同開発基金の事業に対する理解と協力を求めました。
このあと庭野会長は、同市内にある本会スリランカ連絡所を訪問しました。同連絡所には、平成10年5月、「第159回勧請式」で、ご本尊像が勧請され、現地で開所式が行われています。現在の会員数は220世帯。
当日は、現地会員約100人が参集。「お言葉」の中で庭野会長は、「スリランカの地に信仰の花が開き、多くの人が救われ、大乗仏教、在家仏教の伝道が活発化することを確信している」と会員たちを励ましました。

(2003.12.19記載)