11月29日にイラク北部で日本人外交官2人が殺害された事態を受け、立正佼成会一食平和基金が支援している「特定非営利活動法人ジェン(JEN)」と「日本国際ボランティアセンター(JVC)」は、イラクに常駐していた日本人スタッフを他国に避難させるなど、慎重に対応しています。両団体とも亡くなった2人とは、支援活動を進める上で親交を深めていたといいます。プロジェクトはイラク人スタッフを中心に現在も進められています。
現在、イラクで活動を行っている日本のNGO(非政府機関)は3団体。うちジェンとJVCには本会一食平和基金から支援が行われています。
ジェンは今回の事態を受け、12月1日付で「ニュースリリース」を発行、『イラクでの日本人外交官とイラク人運転手の殺害に際して』と題し、犠牲者に対する追悼の言葉を掲載しました。
ジェンによると、亡くなった2人の外交官はジェンのよきアドバイザーであり、特に奥克彦大使は、ジェンのプロジェクトである学校修復事業に期待をかけており、治安関連情報を提供するなど、積極的な協力姿勢を示していたといいます。
また、ジェンは国際スタッフがヨルダンのアンマンにいったん退避し、再びバグダッドへ戻った後、イラク人スタッフとともに今まで通りプロジェクトを進めていることを報告しました。
一方、現地で医療支援を行っているJVCは、事件の翌日から今後の対処方針を討議しています。現在、2人の日本人スタッフは、ジェン同様、ヨルダンの首都アンマンに待機しているといいます。ヨルダンでのNCCI(イラクで活動するNGOの協議体)の会議などに出席し、状況把握に努めた上で、今後の方向性を検討し、見解をまとめる予定です。
清水俊弘事務局長は、「活動が停滞しないよう、現地の医師やスタッフと密に連絡を取り合い、活動を継続していく」と語っています。
(2003.12.12記載)
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