「討論集会『いま平和を求めて』」(同集会実行委員会主催)が3月2日、東京・渋谷区の代々木倶楽部で開催されました。新宗連(新日本宗教団体連合会)加盟教団はじめキリスト教、仏教、イスラーム、NGO(非政府機関)などの関係者ら100人が参加しました。
同集会は、宗教者が宗教、宗派、団体の枠を超えて平和を模索することを目的に企画されました。『いま平和を求めて――いのちと宗教を問い直す』をテーマに、パネルディスカッションが行われ、パネリストとして「平和を実現するキリスト者ネット」の大津健一氏、高柳正裕・真宗大谷派教学研究所所員、野口親一・庭野平和財団事務局長、松原通雄・立正佼成会外務部長が出席しました。本山一博・玉光神社権宮司がコーディネーター、島薗進・東京大学教授がコメンテーターを務めました。
この中で、大津氏はイラク戦争を一部のキリスト教徒が支持している例を挙げ、「宗教が現在、暴力、戦争の文化を支える原動力になりつつある」と指摘しました。その上で、「宗教者は本来、非暴力や不殺生を訴えていく役割がある。暴力の文化を平和の文化へと変えていく努力が求められる」と主張しました。
また、高柳氏は、「怒りや恨みを根本的に解消することが真の平和に向けた第一歩となる。宗教者はそれぞれの宗教の持っている独善性を乗り越え、平和への祈りといのちの尊さを互いに見いだせる機会を積極的につくっていく必要がある」と述べました。
一方、松原部長は、イラク戦争をはじめ自殺者の増加など国内外の問題に触れながら、「平和やいのちについて考える場合、宗教者は互いの教義などを理解した上で、対話を深めていくことが大切」と述べ、今後の課題として「相互の緩やかなつながりを可能にする宗教者の"ネットワーク型の活動"に取り組むことが大事」と語りました。野口氏も、長年にわたり宗教協力活動に携わってきた立場から、「平和を実現するためには、宗教者が共に語り、共に行動していくことこそ重要」と訴えました。
グループ討議に続いて、全体討議、質疑応答が行われました。
(2004.03.12記載)
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