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2004年03月08日 新宗連「第16回教団人セミナー」

新宗連(新日本宗教団体連合会)の「第16回教団人セミナー」が3月8、9の両日、『21世紀の宗教とは――「宗教的行」の現代的意味を問い直す』をテーマに立正佼成会大阪教会道場で開催されました。新宗連加盟11教団から30人が参加。本会から、山野井克典理事長らが出席しました。

同セミナーは、宗教や教団運営のあり方について学び、宗教の働きを現代社会に活かすことを目的に毎年実施されています。
セミナーではまず、新井光興・救世真教会長、熊野隆規・立正佼成会青年本部次長、保積秀胤・大和教団教主がそれぞれテーマに基づいて発題しました。
新井会長は、自教団に特別な修行が存在しないことを紹介し、「行とは自分自身を律するものであり、各自が主体的に手法を決め、実践するべき」との考えを示しました。
一方、熊野次長は、本会の「菩薩行」に言及。「仏性礼拝行と我欲を除く行という聖俗両面の行」と説明し、菩薩行が仏教真理を認識するための手段であると強調しました。
また、保積教主は、行によって神秘的な力が得られるとした上で、「行の目的はあくまでも穏やかな心を育むことであり、常に心の底から笑顔でいられることが真の宗教者の姿」と述べました。
このあと行われたグループ討議や全体討議では、「行」のとらえ方について「宗教的行」と「日常の宗教的な行い(実践)」という2つの観点が提示され、参加者からは「『生活即信仰』であり、良いことを心を込めて繰り返すことで人間性も向上する。両者を明確に区別するのは難しい」「教団の教義によっても判断は分かれる」といった意見も出されました。
また、「宗教的行の高まりが実践者の人柄や日々の言動、人との触れ合いに反映されることが大事」との発言から、具体的実践として、希薄化する現代の人間関係を改善するため、宗教者による「あいさつ運動」の実践が提案され、今後の検討事項となりました。
討議ではさらに、「行」と青年のかかわりにも言及。「若者は、特定の教団に所属することには抵抗があるが、神秘体験には関心がある」「瞑想行や滝行など本格的な行を求める青年も多い。宗教団体が積極的に彼らの受け皿になり、本質的な信仰を示すべき」といった意見が出されました。

(2004.03.19記載)