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2004年03月27日 WCRP8、2006年に京都で開催へ

WCRP8(第8回世界宗教者平和会議)が2年後の2006年6月、京都で開催されることに決まりました。WCRP国際執行委員会、同日本委員会が3月27日、それぞれ正式に発表しました。京都は1970年にWCRPの第1回大会が開かれた記念の地です。WCRPは2年後、再び「原点」に帰ることになります。また、2006年はWCRP創設者の一人、庭野日敬開祖の生誕百年の年にあたり、本会にとっても意義深い大会となります。

次回大会の開催地に関しては、WCRP7(1999年、ヨルダン・アンマン)以来、国際執行委員会を中心にさまざまな都市が候補に挙げられ、検討されてきました。そうした中、2001年9月に米国で同時多発テロ事件が発生しました。これを機に、米英両国を中心としたアフガニスタン攻撃やイラク戦争、テロによる報復という「暴力の連鎖」が続き、世界は混迷しました。また、こうした争いの原因として「宗教対立」や「文明の衝突」といった面が強調され、人々の宗教不信が高まりました。このような状況のもと、平和の醸成に向けて宗教者が積極的に役割を果たすべきとの観点から、宗教者の使命や宗教協力の精神をあらためて見つめ直す意味で、WCRPの「原点」である京都を開催地に推す声が強まりました。今年2月、国際執行委員会は、日本委員会に対して京都での大会開催を正式に要請しました。これを受け、日本委員会は3月11日の緊急理事会を経て、同27日の「第82回理事会・第79回評議員会」で案件を審議、承認しました。

同日、白柳誠一・WCRP日本委員会理事長、杉谷義純・同事務局長が記者会見に臨み、京都での次回世界大会開催を正式に発表しました。記者会見ではさらに、決定時期が通例よりずれ込んだ理由に言及し、米国同時多発テロ事件以降、治安面の不安が増大する中で慎重に候補地の選択を進めざるを得なかったことや、同事件発生後、米国・ニューヨークで開かれた「世界の諸宗教指導者による国際シンポジウム」をはじめ、諸宗教者によるさまざまな国際会議や集いが行われたことなどが挙げられました。また、歴代開催地以外での大会実施を望む声が最後まで根強かったことも報告されました。

席上、白柳理事長は、「世界的な問題が山積する中、次回大会では、宗教者が相互理解を深め、協力姿勢を生み出すというWCRPの根本精神がこれまで以上に問われるだろう」と述べました。大会に向けた今後の具体的な作業は、受け入れ国の日本が組織する「大会準備委員会」によって進められます。

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第1回大会から第7回大会までの(1)日時(2)開催地(3)参加国・人数(4)テーマは以下の通りです。
第1回=(1)1970年10月16日~21日(2)京都(日本)(3)39カ国約300人(4)「非武装・開発・人権」
第2回=(1)1974年8月28日~9月3日(2)ルーベン(ベルギー)(3)50カ国約400人(4)「宗教と人間生活の質――地球的課題に対する宗教者の応答」
第3回=(1)1979年8月29日~9月7日(2)プリンストン(米国)(3)47カ国約350人(4)「世界共同体を志向する宗教」
第4回=(1)1984年8月23日~31日(2)ナイロビ(ケニヤ)(3)60カ国約600人(4)「人間の尊厳と世界平和を求めて――宗教の実践と協力」
第5回=(1)1989年1月22日~27日(2)メルボルン(オーストラリア)(3)60カ国600人(4)「平和は信頼の醸成から――宗教の役割」
第6回=(1)1994年11月3日~9日(2)バチカン市国、トレント(イタリア)(3)63カ国850人(4)「世界の傷を癒す――平和をめざす宗教」
第7回=(1)1999年11月25日~29日(2)アンマン(ヨルダン)(3)70カ国1200人(4)「共生のための地球的行動――新たな千年期における宗教の役割」

(2004.04.02記載)