「成道会」式典が12月8日、大聖堂はじめ全国各教会で行われました。成道会は、釈尊が誕生した「降誕会」(4月8日)、入滅した「涅槃会」(2月15日)と並ぶ仏教三大行事の一つです。約2500年前に釈尊が難行苦行の末、インド・ブッダガヤの菩提樹の下で悟りを開いたことの意義をかみしめ、仏教徒として釈尊への報恩感謝と教えの実践をあらためて誓願する日とされています。大聖堂で行われた式典には、団参参加者を中心に3800人の会員が参集。法話に立った庭野会長は、釈尊が悟りを開いたことを「人間としての目覚め、人類の夜明けとさえ言われる」と強調し、一人ひとりが真理を認識していく重要性を説きました。
大聖堂で行われた式典は、佼成合唱団による奉献曲『明けの明星』の調べが流れる中、芳ジュ女学院情報国際専門学校生と学林光ジュ生、海外修養生合わせて66人による奉献の儀で幕を開けました。庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われたあと、庭野会長が啓白文を奏上しました。
VTR『大いなる夜明け~釈尊成道会』の上映に続き、会員を代表して日下部恭央・松江教会長が体験説法。日下部教会長は、慢性腎炎の闘病中に、「すべての人が仏性を具えており、この心を磨きさえすれば、すべての人が幸せになれる」という仏教の教えに出遇えた時の感動を吐露し、教えを実践してきた今日までの歩みを語りました。
このあと、庭野会長が法話に立ち、釈尊の悟りに言及。「すべての人が仏性を持っています。一方で、人にはそれぞれ個性があり、硬い性格の人がいれば、柔軟な人もいます。すべての人が別々でありながら、しかし、元は一つだという、人間の根底を釈尊は教えてくださったわけです。お互いにいのちの元を正せば、一つなのだということに気づいていくところに争いがなくなっていきます」と述べました。
その上で、日頃の信仰姿勢に触れ、「毎日、お題目を唱えていますと、習慣になり、感激をなくしがちです。人間は、繰り返すことが大事である一方、繰り返すと慣れてしまい、形式化して心を込めることができなくなってしまいます。そして、ご供養やお題目を唱えていれば、救われるという方向に行きがちです。しかし、釈尊の教えはそうではありません。無常という教えを認識することで、人間として生かされた意味を見つめ、人生をより良きものにしていこうと考えるようになります。真理を認識し、自覚し、自分のものにしていくことが大事であり、ここに、人間の目覚めと言われる本当の意味があると思います」と述べました。
(2004.12.17記載)
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